【カメラと暮らす】カメラ×ファッションの難しさ 〜カメラバッグ〜

先日の記事では、「カメラマンとして、見られている意識を常に持つべき」という話をした。

実は「街中で違和感なくカメラを持ち運ぶ」のはけっこう難しい。

ぼくはできれば、街を歩いている時に「あ、この人カメラ持ってる」と思われたくない。
むしろ「街と同化して、目立たずに写真を撮りたい」と常に思っている。

撮影中はどうしてもカメラを取り出して、カメラを構えているから、ある程度注目されてもしかたがない。

それはもう諦めている。

でも、せめて移動中は注目を避けたいと思っている。

僕が「カメラバッグメーカーのバッグ」を使わないのはそのためだ。

というわけで、今日は「カメラバッグ」の話である。

「カメラバッグ」の違和感

家電量販店やカメラショップに売っている「カメラバッグ」。
カメラを持ち運ぶために作られていて、カメラマンの「使い勝手」のことを第一に考えて作られているので使いやすい。
最初から仕分けのための「コンパートメント」が付属しているものが多く、機材を衝撃から守ってくれる、心強い存在だ。

でもこれらのカメラバッグ、家電量販店で「カメラバッグ同士」を比較したり、ネットで見ている時には何も感じないのだが、いざ買ってきて使い始めると

「あれ?なんか違和感が…」

となることがある。

たとえば有名な「DOMKE」。
ぼくは「F-3X」というバッグを持っている。
比較的小さめで目立たないデザインだと思い、試着せずにネットで購入したんだけど、いざ使い始めてみると「なんか取って付けたような」状態になった。

少し無骨なデザインが普段着(シャツスタイルが多い)に合っていない。

ポケットの数が多く、シンプルなスタイルに合わない。

素材が洋服と合っていない。

細かいところかもしれないが、気になり始めると、不満が膨らんでいく。
結局、最近はめっきり使わなくなってしまった。

もちろん、カメラバッグメーカーはDOMKEだけじゃない。
「Billingham」「ARTISAN&ARTIST」「ZKIN」「ONA」「Peak Design」…それぞれに工夫を凝らしたカメラバッグがある。

でもなんか違う。どれも「普段着」に合わない。

アウトドアテイストや、極端な高級志向、ストリート風のデザインが多く、ちょっとおとなしい、普通の服装には合わせにくい。
素材に「ナイロン」や「キャンバス」を使用しているバッグが多いのも関係しているかもしれない。
「街中に溶け込む」には違和感がある。
この辺は実際に装着して、鏡の前に立たないとわからない部分なので、カメラバッグを買うときは必ず試着することをおすすめする。

(ちなみにカメラメーカーの純正バッグについては、目を覆いたくなる出来なので割愛する。しかも高い。)

いつものバッグで十分

カメラバッグメーカーは、基本的にアパレルメーカーではないので、「普段着に合わせる」という感覚がないのかもしれない。
アウトドアユースを意識しているカメラリュックならなおさらで、それは別に悪いことではない。

アパレルブランドの「いつもの服」とは雰囲気が合わなくて当然だ。

じゃあどうするか。

もういっそ「いつものバッグ」でいいんじゃないだろうか。

 

「カメラバッグは専用品だから使い勝手がいい、出し入れしやすい」という意見もあるだろうが、撮影中は基本的にカメラは出しっ放しだろう。
実際の撮影で、いちいち「出して、撮って、しまって、出して」なんてやっている人いるんだろうか。

というわけで、ぼくのオススメは

「いつものバッグにインナークッションを入れる」

である。

お気に入りのバッグが、カメラバッグに早変わりする。リュックでもいいし、トートバッグでもいい。カメラとレンズが入る大きさならなんでもいい。
ちなみに大きめのトートなら、出し入れもしやすい。そこらのカメラバッグよりはるかに。

そして「安い」。3,000円くらいで手に入る。カメラバッグは、全体的に高すぎると思う。

「雨が降ったら濡れるじゃないか」とか「埃が入るじゃないか」とか言う人もいるかもしれないが、「雨が降ったら撮影どころじゃない」ので別にいい。
雨が降ったら傘をさすだろうし。
埃をかぶりそうなら、カメラの上に布でも置いておけばいい。

何よりも「一見するとカメラを持っているように見えない。」というのは、ぼくの撮影時のストレスをかなり軽減してくれる。

目立たず街の写真を撮りたい人、普段着で撮影に出かける人に、「普段のバッグ×インナークッション」は本当にオススメだ。

Canon EOS 5D Mark III (EF24-70mm F4L IS USM, 24mm, f/4, 1/40 sec, ISO1600)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。