Canon EF50mm F1.2L USMレビュー (2026Ver.)

Canon EF50mm F1.2L USMは、私が現在持っているカメラ機材の中で唯一、一度手放した後に買い戻したアイテム。

Canonのデジタル一眼レフ「EOS 5D Mark Ⅳ」を購入した時に買い直した。
なぜ一度手放したのか、当時の自分を問い詰めたい

今回は、そんな私の「心のレンズ」であるこのレンズを紹介する記事だ。

昨今の在庫不足の折、このレンズは入手難易度もそんなに高くないので、興味がある方は見ていっていただきたい。

どういうレンズ?

発売日は2007年1月31日
約20年前のレンズだ。

さすがに当時の技術レベルで作られたレンズであるため、現役のRFレンズと比較すると解像度は高くなく、各種収差が目立つ。

…が、そこがいい。
なんでもしっかり解像することが正解ではない、というのがレンズの奥深いところだと私は思っている。特に趣味レベルでは。

仕様

レンズ構成 6群 8枚
絞り羽根枚数8枚
最小絞り16
最短撮影距離0.45m
フィルター径φ72mm
長さ約 65.5mm
質量約590g

外観

とにかくかっこいい。

この時代の単焦点レンズとしては大型の部類に入るが、現代のRFレンズと比較すると明るさの割にはコンパクトだ。

高性能レンズらしく、鏡胴の中にはレンズがぎっしり詰まっており、ずっしりと重さを感じる
が、むしろそれがいい。

デザインは一言で言うと「レトロフューチャー」。
プラ部品の使い方がイカしている。

Canon EOS 5D Mark IV (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO1000)
前玉は迫力のある大きさ。
Canon EOS 5D Mark IV (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO1600)
長さはそこまでなく、コンパクト。
Canon EOS 5D Mark IV (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO1600)
懐かしのEFマウント。

EFレンズは、現行のEOS Rシステムのミラーレスカメラにアダプターを使用して装着することもできるが、オリジナルのEFマウントを採用したデジタル一眼レフ機に装着した時の姿こそが最高にかっこいい
原理主義的だが、私は本当にそう思っている。

Canon EOS R6m2 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO800)
EOS 5D Mark Ⅳとの定番の組み合わせ。
Canon EOS R6m2 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO640)
「ULTRASONIC」の文字と赤ラインがシャレオツ。
Canon EOS R6m2 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO1250)
鏡筒前面のプラ部分デザインが結構好き。

このレンズと「EF85mm F1.2L Ⅱ USM」はEFレンズの単焦点レンズの中でも最高にイカしたルックスをしている。

この外観だけでも買う価値がある。
…いやない。撮れてなんぼだ。

描写力

今更なレビューになるが、このレンズで撮影した写真を見ていただきたい。
基本的に開放絞りF1.2で撮影しているものが多いので、購入を検討している方の参考になればいいと思う。

近接描写

まずは苦手と称される近接描写から。
開放絞りではピント面は滲んでいて、現代風にしっかりとした解像感は得られない。

でも、それが他のレンズとの差別化となっていてとてもいい。

開放からシャープな描写を求めるなら別のレンズにした方がいいかもしれない。

Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/250 sec, ISO100)
ミニチュアのEOS 5D Mark Ⅱを撮影。
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/40 sec, ISO125)
カメラをカメラで撮影する。
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/50 sec, ISO125)
柔らかくボケる、フルアーマーGR Ⅳ Monochrome。
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/50 sec, ISO125)
みんな大好き、プロコン2。曲面がなだらかにボケる。
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/60 sec, ISO100)
このレンズの主役であるボケは、非常に美しい。
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/80 sec, ISO100)
ボケはやわらかいが、触ると非常に痛い。

風景描写

続いて、屋外での風景描写も見ていこう。
曇り空の渋谷に遊びにいってきた。

遠影・風景中心の撮影とはいえ、やはりこのレンズを使うなら、ボケが主役になる。

ボケが必要ないのなら、このレンズを選ぶ理由はない、と言い切っていいと思う。

Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/800 sec, ISO100)
銀座線とヒカリエへの通路
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/640 sec, ISO100)
ボケにより浮き出す案内板
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/1600 sec, ISO100)
明るい廊下と、立体的な描写
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/250 sec, ISO100)
柔らかいボケにより、存在感を示すスタバ看板
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/250 sec, ISO100)
スチールに当たる光のグラデーションを捉える
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/50 sec, ISO200)
滲んでいくようなボケが湿った空気感を出す
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/800 sec, ISO100)
ボケの大きさを確認できる壁のボルト
Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/320 sec, ISO100)
もはや背景が溶けていて原型をとどめていない

少しアンダーめの写真が最近の好みだ。

2026年におけるこのレンズの価値

YouTubeとか見ていると、古いカメラ機材について、「このレンズを今買う必要があるか?」みたいな動画がよく目につく。
正直、そんなもん自分で考えろと言いたいところだが、いろいろと思うところがあるのだろう。

私がこのレンズについて回答するとしたら、「万人にはお勧めできないが、この描写が好きな人には唯一無二の価値があるレンズなので人それぞれ」だろう。

光学性能的には古いものだし、「開放からシャープ」を求める方にはおすすめできないばかりか、条件によっては各種収差もけっこう激しめに出る。

それでもこのレンズは、優しい写真マイルドな質感が好きだけど、オールドレンズはちょっと敷居が高い…みたいな人に手に取って欲しいと思う。

本日の1枚

Canon EOS 5D Mark IV (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/640 sec, ISO100)
働く。

カメラ:EOS 5D Mark Ⅳ
レンズ:EF50mm F1.2L USM