壁

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 22.7mm, f/11, 1/120 sec, ISO500)
ANDO壁

今回の記事は、建築物の撮影用に私が作ってみた富士フイルムのカメラ用カスタム設定「ARCHITECTURE」についての解説だよ。

(記事を読むのが面倒な人もいると思うので、こんな設定を作ったよ、という結論をお先にどうぞ。)

「ARCHITECTURE 」
フィルムシミュレーション:PROVIA
ダイナミックレンジ:DR200
ホワイトバランス:AUTO
ハイライトトーン:−1
シャドウトーン:−1
カラー:+1
シャープネス:+2
ノイズリダクション:AUTO

このカスタム設定を作るきっかけ

白黒写真で伝えることの限界

前回の表参道ヒルズの記事。

ツタ

【建築スナップ】「ANDO」建築を巡る旅 ① 〜表参道ヒルズ〜

2019年7月21日

この記事では建物の紹介に白黒写真を使ったんだけど、「白黒写真で伝えられることの限界」を感じたのだ。
「モノの形」は確かに伝えられるけど、色がないので、当たり前だけど実際の色彩とかは全く伝えられていなかった。

安藤忠雄建築を紹介するつもりが、ただの自己満足な「自分の白黒写真紹介記事」になっていたような気がする。

現実の建築物には、色が付いている。…当たり前だけど。

「建築物そのもの」を紹介する記事を作るなら、建築の要素の一つである「色」は必要だ。

白黒写真は「逃げ」?

グラデーション

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 16mm, f/8, 1/13 sec, ISO500)
白と黒のグラデーション表現

白黒写真はいい。

光と影、明暗、グラデーションで描く写真。

クールで非現実的な雰囲気を作り出すことができる。

でも最近は「カラー写真で印象的な写真を撮影できないこと」に対する逃げになってしまっていた気がする。

撮影技術を向上させたいなら、もっとちゃんとカラー写真を頑張るべきではないか。

白黒写真の道を行くのはそれからではないか。

そんな気持ちになったのだ。

ポリシーよりも目的

白黒写真で建築スナップをメインジャンルとする!ということを約一年前に宣言して、写真を撮ってきた。

これは建築物の紹介よりも、「自分の写真を確立したい!」という思いがあってのことで、いわゆるポリシーみたいなもんだ。

でも、今回は「ANDO建築を紹介する!」という目的が先にある。

ポリシーよりも目的を優先すべきだろう。

 

よし、カラー写真を撮ろう。

 

「建築を魅せる写真」に必要な要素とは?

廊下

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 34.2mm, f/11, 1/60 sec, ISO500)
ANDO廊下

Casa BRUTUSを参考にしてみる

素晴らしい建築写真といえば?
答えは、雑誌「Casa BRUTUS」だ。

Casa BRUTUSは主に建築やデザイン関係の記事を取り扱っている雑誌。表紙デザインがいつも美しくて、私も昔から大好きな雑誌である。

で、そんなCasa BRUTUSを何号が読んでみて、その中で使われている写真の特徴を自分なりに分析してみた。
(実際は写真家によって特徴はまちまちだと思うので、以下は個人的な感想である。)

  • 忠実に、しっかり再現された色(特に青、緑が印象的)
  • 明るめ、抜けの良い描写(透明感?)
  • パースを効かせすぎない
  • 直線を歪ませない

こんな感じだろうか。

まとめると、「建築物そのものを忠実に再現して伝える」という役割をしっかり果たせる写真、という感じか。

以上を念頭に置いて、カスタム設定を作ってみることにした。

カスタム設定

フィルムシミュレーション

これはPROVIA一択。
いわゆるオールマイティなフィルムシミュレーションであり、しっかりと「伝える」用途に最適だ。

色は忠実というよりも「記憶色」なので青や緑が印象的になる。それがまたいいと思う。

ホワイトバランス

AUTO。
余計な味は要らない。その時々の光源で最適なホワイトバランスを選択したい。

ただし、少し青め、とかその程度の個性は必要かもしれない。
その場合は一定の色温度で撮影した後、パソコン現像時に一括で調整する必要がある。

ここは今後の研究材料にしよう。

ハイライトトーン/シャドウトーン

階調は豊かな方がいい。
かといってあんまり軟調にしすぎると眠い絵になってしまう。
ので、−1くらいがちょうどいいかな。

カラー

色、という成分を少し多めにしたい。なので+1。

シャープネス

建築物のディテール、特にANDO建築の幾何学的なデザインをしっかりと写したい。+2。

ここからは撮影時の各種設定。

ISO

ISO値はできる限り低い方がクリアで鮮明な写真になる…けど、屋内の撮影が多いので結果的にISO200を常用するのは難しい。

ここでは500でいったん固定して、ケースに応じて変動させていこうと思う。

絞り値

基本的に絞り値はF8〜F11あたりを常用している。

ただし室内が暗い場合や背景をぼかしたい時はF2.8〜F4くらいまで開く。

シャッター速度

静物なのであまり意識していない。上記のISOと絞り値に依存する。

ただし人を流したい時はスローシャッターを使う。このとき、強力な手ブレ補正があるのは心強い。

画角(レンズ)

画角は様々。

撮影対象、撮影場所によって広角から望遠まで必要になってきそうだ。

ただし、線が歪むような超広角は使わず、できる限り直線は直線で表現したい。

カスタム設定「ARCHITECTURE」

以上の考え方により作成した設定がこちら。

「ARCHITECTURE 」
フィルムシミュレーション:PROVIA
ダイナミックレンジ:DR200
ホワイトバランス:AUTO
ハイライトトーン:−1
シャドウトーン:−1
カラー:+1
シャープネス:+2
ノイズリダクション:AUTO

作例

安藤ストリート

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 30.2mm, f/11, 1/80 sec, ISO500)
安藤ストリートの仙川デルタ・スタジオ

シティハウス仙川ステーションコート

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 30.2mm, f/2.8, 1/1000 sec, ISO500)
シティハウス仙川ステーションコート

せんがわ劇場

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 21.3mm, f/11, 1/210 sec, ISO500)
せんがわ劇場

東京アートミュージアム外壁

FUJIFILM X-H1 (XF16-55mmF2.8 R LM WR, 27.4mm, f/2.8, 1/1600 sec, ISO500)
東京アートミュージアム外壁

…安藤ストリートと仙川市についてはまたいずれ。

まとめ

建築物用に作ったカスタムだけど、このカスタムは何にでも使えそうだ。

とにかく、カラー写真は白黒写真よりも印象的でクールな写真にするのが難しい。

写真の基本に立ち返ってがんばろう!

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2 件のコメント

  • こんばんは、Nobです。

    実は私も建築写真が好きなんです、でも今は千葉の田舎にいるので被写体に恵まれていません。
    モノクロにするかカラーにするか、、、悩ましいですね。私の場合はモノクロはなかなか思うような階調の写真が撮れません、難しいです。

    私の好きな写真家、ソール・ライターの言葉、、

    「誰もがモノクロ(写真)のみが重要であると信じていることが不思議でたまらない。まったく馬鹿げている。美術の歴史は色彩の歴史だ。洞窟の壁画にさえ色彩が施されているというのに…。」

    に出会ってから、基本カラーで撮りますね、、、ブレッソンや木村伊兵衛も好きなんですが、彼らの時代にカラーがあったらやはりカラーで撮ったんだろうかなんて想像したりもします。

    私は撮影はJPEG+RAWで撮り、基本はJPEGだけを使いますが、モノクロの方が良いと思った写真のみRAWから現像します。(Lightroom or X RAW STUDIO)

    作例の写真、、、素敵です、ただ、、、、なんと言っても電線が無粋ですね、、、

    • Nobさん、コメントありがとうございます。

      ソウルライターの言葉、私も目にしたことがあった気がします(コメントを見るまで忘れていましたが…)。
      とはいえ「モノクロかカラーか」というのは結局は本人がどういう写真を撮りたいか、なんでしょうねぇ…

      …電線は、本当に「安藤ストリート」には似合わないと思います。なんとかならないのかなあ…

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