【撮影テクニック】HDR

丸ビル2
夕日に露出を合わせると真っ暗になるよ

最近、少しモチベーションが落ちていて撮影に行っていない。
撮影に行かないので写真が増えない。

写真好きなら誰しも、こういう状態を一度は経験すると思う。
撮影は好きだけど意欲がわかない。

こんなときは家から出ないで、撮影技術について学んでみよう

というわけで、少し前に撮影したHDR写真のことについて書いてみよう。

HDR(ハイダイナミックレンジ)とは

ダイナミックレンジ

HDRを語る前に、ダイナミックレンジとは何かを説明する必要がある。
ダイナミックレンジとは、画像の最も明るい部分と最も暗い部分の明暗の比のこと。

「白飛び耐性・黒潰れ耐性」と言い換えてもいい。

なお、カメラという機械は人間の目と比べてこのダイナミックレンジ性能が非常に低い

オーバー
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/9, 1/160 sec, ISO200)
露出オーバー

影になっている建物をしっかり写そうと明るくすると、空や地面が白飛びして、ディティールが消えてしまう。

アンダー
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/9, 1/400 sec, ISO200)
露出アンダー

かといって空や地面のディテールを写そうと暗く撮影すると、今度は影になっている建物が暗くなりすぎてしまう。

普通に撮影すると、どうしてもこのどちらかの現象に悩まされることになる。
これはそもそもダイナミックレンジが低いカメラの宿命でもある。
なお、センサーサイズによってダイナミックレンジの大きさも変わる(概ねセンサーサイズとダイナミックレンジの大きさは比例する)が、いずれにせよ人間の目と比較すると小さい。

これを補うための機能が「HDR(ハイダイナミックレンジ)」である。

HDR(ハイダイナミックレンジ)

HDRとは読んで字のごとく、「高いダイナミックレンジ性能」のことである。

HDRにより得られた画像を「HDR画像」と言ったりもする。

つまりHDRとは、明暗差の激しい被写体を、白飛び・黒潰れなく撮影する機能のことである。

なお、先ほどの写真をHDR撮影すると以下のような画像になる。

HDR
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/9, 1/inf sec, ISO200)
HDR合成した画像

この写真は、明暗差のある5枚の写真を合成した。

空の青や地面のタイル、影になっている建物も適正露出で表現されている。

…まあ、上の写真は色合いや輪郭が不自然、というのはあるが。
HDRはやりすぎると写真っていうか絵みたいになってしまう

今回はHDR初挑戦ということで、わざとらしい感じもまた楽しかった。

HDR Efex ProとLightroom CC

なお、富士フイルムのカメラには、カメラ内でHDR写真を作成する機能はない
ダイナミックレンジを拡張する機能はあるが、上の写真のような極端なものは作れない(富士フイルムのコンセプトからすると作る必要がない、という噂もある)。

そこで、HDR画像を作るために、まずはAEブラケット撮影を行なった。
設定方法はメニュー画面「撮影設定」から「ドライブ設定」→「BKT撮影」→「AEブラケティング」と進み、コマ数と露出ステップを選択(今回の写真は±5コマ、1/3ステップを選択した)。
カメラ左肩のISOダイヤル下部のモードダイヤルを「BKT」位置に設定して撮影した。

撮影後、自宅のパソコンでHDR合成を行う。
今回はHDR Efex Proというソフトを使用してHDR画像を作成した。
実は白黒写真用のSilver Efex Pro を買ったついでに購入したソフトだったのだが、これが結構簡単にHDR画像を作成できる

HDR Efex ProはAdobeのLightroom CCと連動させることができる。
Lightroomの管理画面からHDR合成したい写真(2枚以上)を選択して右クリックし、「書き出し」→「HDR Efex Pro 2」を選択すれば、あとは勝手にソフトが起動してHDR画像作成画面に移動してくれる。

作成画面は直感的に操作が可能で、お好みのHDR画像がすぐに作成できる。

このソフトはおすすめだ。

作例

以下、HDR Efex Proで作成したHDR画像。

まずは玉川図書館(モノクロ)。
手前のテーブルの木目がかなり強調されている。

図書館
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/5.6, 1/inf sec, ISO400)
これは前の記事でも紹介した写真

こちらは丸の内のビル群と夕日。
明暗差の激しい被写体(夕日と手前のビル)を適正露出で表現することができた

丸ビル
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/11, 1/inf sec, ISO400)
東京駅前のビル群と夕日
丸ビル2
FUJIFILM X-H1 (XF8-16mmF2.8 R LM WR, 8mm, f/11, 1/inf sec, ISO400)
ちなみに夕日に露出を合わせると真っ暗になるよ

油絵みたいな表現になるのが面白い。

まとめ

そんなわけでHDR撮影に関する記事だった。

カメラ歴も10年に近づいているというのに、恥ずかしながらHDR撮影は初めての経験だった。
今後、メインで使用する機能にはならないかもしれないが、なかなか面白い。
食わず嫌いは良くないなぁ、とつくづく思った。

ちなみに、今回の写真はX-H1での手持ち撮影
普通、HDR撮影は三脚を使用するのがセオリーだと思うが、優秀なボディ内手ブレ補正機能が付いているX-H1なら、気をつければ手持ちHDR撮影が可能だ。

やっぱりX-H1は最高だ。

FUJIFILM X100F (FUJINON 23mmF2, 23mm, f/4, 1/40 sec, ISO2500)
そしてXF8-16mmF2.8 R LM WRもいいレンズ
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雑談

ガンプラをまた作り始めた。ナラティブガンダム。

作り始めては止めてを繰り返した挙句、この5年間で1体も完成していない。
MG百式は未だに顔しかできていない。

北海道に帰る前に1体は完成させたいなぁ…

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