RICOH GR Ⅲ vs SIGMA fp vs SONY RX100

 

コンパクトカメラが欲しい。

…なにを言い出したんだこの人、と思うかもしれない。私もそう思う。つい最近、某メーカーのクソ高いカメラを買ったばっかりだろうが、と。ついでにレンズも2本買っちゃって、「コンパクトなレンズ最高デュフフフ」とかいってよだれ垂らしてただろうが、と。

だが待ってほしい。これには海よりも深い理由があるのだ。

涙なしには語れないその理由とは?そして2020年6月時点で私が選ぶべき「最高のコンパクトカメラ」とは?

なぜコンパクトカメラ枠が必要なのか

コンデジ
Canon EOS 5D Mark III (EF50mm F1.2L USM, 50mm, f/1.2, 1/400 sec, ISO400)
これは以前持ってた「RICOH GR」

上で散々煽っておいてなんだけど、コンデジが必要な理由は至ってシンプルだ。それは「外出のついでに写真を撮るため」である。ただ、これはシンプルだけど切実な問題なのだ。

先日とある某セレブカメラを買った時に、その時点で所有していたカメラ機材のほとんどを下取りに出した。…それ自体は問題ない。カメラ機材を増やす時、犠牲はつきものだ。

問題は、手放したカメラの中に「RICOH GR」「FUJIFILM X100F」が含まれており、これらを手放したことで「コンパクトカメラ枠」がなくなってしまったこと。当初、コンデジ枠は「LEICA M MONOCHROM(Typ246) + LEICA ELMARIT-M f2.8/28mm ASPH.」でカバーするつもりだった。でもやっぱ無理。コンパクトカメラとして使うには、ライカはでかいし重い。

コンデジの条件は「通勤カバンにすっぽりと入る」こと。ライカMはフルサイズカメラの中では小さめ(レンズ込)とはいえ、通勤鞄(ブリーフケースみたいな薄いやつ)に入れていくにはさすがに大きい。さらに最近の自粛生活で、「不要不急でない外出時に携帯できる」コンパクトカメラの重要性が身に染みたんだ…。

だからしょうがない。私は悪くない。いや悪い。ごめんなさい。

以下、気になっているカメラと、その印象を淡々と書いてみる。

RICOH GR Ⅲ

X-H1 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/4, 1/8 sec, ISO200)
RICOH GR Ⅲ

特徴

GRといえば「スナップシューター」。ストリートスナップに最適なカメラだ。このカメラは「街中」で「当てもなく歩いて」「広角レンズだから被写体に近づいて」撮影することに適している。

…今の時期、一番ダメなやつじゃん!!

まあ、気を取り直して。
もう一つの特徴は「一貫したプロダクトデザイン」。初代フィルムGRの頃からほとんどデザイン・大きさが変わらない。GR DIGITALからGRになり、APS-Cセンサーになったときにサイズが少し大きくなったが、最新モデルである「GR Ⅲ」でめでたくサイズダウンして元に戻った。

良さそうな点

GR Ⅲは本当の意味で「コンパクト」なカメラだ。なので、カバンに入るのはもちろんのこと、ズボンのポケットにも入れることができる。しかも上述の通りGR Ⅲになってさらに小型になり、豆粒センサーだった「GR DIGITAL Ⅲ」と同じくらいのサイズになった。すばらしい。

あとこれは好みかもしれないが、このカメラは「見た目がいい」。本当にかっこいい。無骨な「黒い金属の塊」感。個人的には表面のザラザラ加工が最高だと思う。

良くなさそうな点

AFが遅い。…と、色々なレビュー記事でもっぱら評判だ。しかも「2世代くらい前のコンデジ以下」とか「動きものは諦めたほうがいい」とか、ちょっと遅いどころの騒ぎではないレベルらしい。通常、AF速度はあまり気にする方ではないけど、ここまで言われちゃうと正直二の足を踏んじゃう。

あと、バッテリーライフがかなり短いという話を聞く。X-H1とどっちが短いんだろう。またそれと関係があるかはわからないけどやたらと発熱するらしい。…大丈夫かこのカメラ。

最後に、LEICA ELMARIT-M f2.8/28mm ASPH.と画角が被る。どちらかを使わなくなる、という未来が来てしまうのが怖い…。

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SIGMA fp

X-H1 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/4, 1/12 sec, ISO200)
SIGMA fp

特徴

「変幻自在の拡張性」。四角い箱に色々なパーツを合体させて、自分だけのfpに育てていく。男の子ならドキドキすること請け合いだ。グリップつけたり、レンズ変えたり、ドローンに付けたり、ジンバルに乗っけたり。最近は在宅ワークのウェブカメラにするのが流行ってたりする(私は関係ないが)。

そしてこのカメラは現時点で、世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」カメラらしい。いや、世界最小かどうかにこだわりはないが、カメラはコンパクトに越したことはない。

良さそうな点

フルサイズセンサーはAPS-Cよりもセンサーサイズが大きいので、階調がより豊かで、ボケも大きい。「画質がいい」かどうかは…比べないとわからないので評価できない。

このカメラはレンズ交換式。マウントはLマウントだ。他のミラーレスカメラと同じく、Mマウントアダプタを使うことでLEICAレンズが使用できる。Mレンズは小型軽量なので、ボディとの相乗効果で「フルサイズとしてはかなりあり得ない小ささのカメラ」になる(S◯NYから似たような大きさのフルサイズカメラが出ていたような気がするが割愛)。

動画撮影能力の高さも魅力の一つだ。このご時世、このカメラをwebカメラ代わりに使う人もいる、というの上でも書いた。まあ、正直webカメラとして使う予定はないけど、そういうふうにいろんな用途に使えるというのは応用力の高さを感じさせる。

良くなさそうな点

カメラボディがいくら小さくても、装着するレンズ次第で巨大化してしまう。レンズ交換式カメラの運命みたいなものだが、これは「コンパクトカメラ枠」としてこのカメラを考えるときには致命的になる。Art50mmF1.4なんて付けた日にはレンズになんか四角いマウントがくっついてるみたいになっちゃう。

そして、このカメラには手ぶれ補正がない。…うーん、この時代にこの機能がなくても許されるのはきっとLEICAくらいなものだろう。手ぶれ補正は大きさの犠牲になったのだ。

あと、このカメラは小さすぎて握りにくそうである。グリップが同梱されているのでそれを装着することで改善するのだと思うんだけど、筐体が直方体なので改善するのもある程度限界がありそうだ。つまり、肝心の実用性に少し疑問がある、ということになる。

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SONY RX100シリーズ

X-H1 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/4, 1/10 sec, ISO200)
SONY RX100Ⅵ

特徴

「高級コンパクトデジカメ」の代名詞みたいなカメラ。2012年6月に初代「RX100」が発売、その後ほぼ毎年新作が出続けており、最新機種は「RX100Ⅶ」。ちなみに、なぜかいまだに初代RX100以降のほぼ全部のモデルが現役で販売されている。さすがにちょっと異常だ…。

このカメラシリーズの特徴は「ズームできる」「光学手ブレ補正搭載」「コンパクト」「比較的高画質」という、コンパクトカメラのベストバランスを体現していること。これが非常に魅力的だ。

SONYのカメラにトラウマがある私でも、やっぱり一度は欲しいと思う、そんなカメラである。

良さそうな点

まず、ズームできる。
そんなよくある機能で優れているなんて何を言っているんだこいつ正体見たりって感じだな、と思うかもしれないが、GRⅢと比較するとこれはかなり大きなメリットなのだ。「遠くのものを引き寄せられる」ってそれだけで素晴らしい。GRには逆立ちしても不可能。
なお、RX100シリーズのズームレンズは2種類ある。RX100~RX100Ⅴまでの「24-70mm F1.8-2.8」とRX100Ⅵ以降の「24-200mm F2.8-4.5」だ。明るさか焦点距離か、どちらを取るかで選ぶことになる。個人的には200mm望遠はとても魅力的…!

そして、このカメラはとにかく小さい。
小さいは正義、と言う観点で見れば一番小さいこのカメラが至高である。

  • GR Ⅲ:109.4(幅) x 61.9(高) x 33.2(厚)mm
  • SIGMA fp:112.6(幅) x 69.9(高) x 45.3(厚)mm(+レンズ)
  • RX100Ⅶ:101.6(幅) x 58.1(高) x 42.8(厚)mm

ね?最強でしょ?200mmまでズームできてこれだよ?

良くなさそうな点

持ちにくい。
グリップ部分がとにかくツルツルしていて持ちにくい。もうわざとなんじゃないかっていうレベル。同じくらいの大きさのGRがグリップの形や素材を工夫して持ちやすくしているのと比較すると、もう少しなんとかしろよ、と思ってしまう。別売りのグリップもあるけど、持ちにくいことがわかっているんなら最初からグリップを同梱するなり、持ちやすいデザインに変更するなりするべきではないだろうか…。

それともう一つ、他の候補と比べるとセンサーサイズが小さい。
RX100シリーズに搭載されている「1.0型センサー」はこのサイズのカメラにしては大きい方なんだけど、下の図を見ていただくと分かる通り、1.0型(⑧)は、GR ⅢがAPS-C(④)、SIGMA fpがフルサイズ(②)と比べるとだいぶ小さいのだ。センサーサイズは画質、諧調、ボケの大きさなどに影響を与える。基本的には大きい方がいい。…まあ、画質を追求するジャンルのカメラではないんだけども。

センサーサイズ
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どれにする?

で、(買うとしたら)結局どれにするのか?ちょと考えてみよう。

使い勝手から考える

コンパクトカメラはあくまでもサブカメラ。よって「使い勝手がいい」ことが求められる。

  • 1位:RX100シリーズ・・・小さい、ズームできる。とにかくなんでも撮れる。
  • 2位:GR Ⅲ・・・遠くのものを撮らないなら画質もいいし携帯性も高い。
  • 3位:SIGMA fp・・・「フルサイズにしては」小さいが、レンズがないと使えない。

かっこよさから考える

とはいえ、カメラ機材は「かっこいい」ものが欲しい。使っていてテンションが上がらない機材ではまともな写真が撮れない(個人の感想です)。

  • 1位:GR Ⅲ・・・主観だけども、最高にかっこいい。
  • 2位:SIGMA fp・・・ミニマルなデザインは魅力的。
  • 3位:RX100シリーズ・・・カッコ悪いというわけではない。好みの問題。

センサーサイズから考える

必ずしもセンサーサイズ=高画質、というわけではない。ないが、センサーサイズは大きい方が画質にもボケ量にも余裕があるので、結果的にできることが増える。

  • 1位:SIGMA fp・・・フルサイズ
  • 2位:GR Ⅲ・・・APS-C
  • 3位:R100シリーズ・・・1.0型

価格から考える

メインのカメラではっちゃけすぎているので、価格は大事。

  • 1位:RX100シリーズ(モデルによる)・・・最新機種に拘らなければRX100Ⅵでも10万円未満で手に入る。初代だと3万円くらい。
  • 2位:GR Ⅲ・・・そろそろ10万円を切ってきた。
  • 3位:SIGMA fp・・・ボディもまだ高価で10万円越え。さらにLマウントレンズが生えてくるおそれあり。

まとめ

…で、結論は?

 

 

答え合わせはまた別の記事で!(必ず買う、とは言っていない)

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4件のコメント

いかにも後付け講釈ですが・・・
薄々・・・いや、薄々ですよ、あくまでも。

LEICAに変更された時にGRを手放しておられたので
「おー、日常のスナップもLEICAで徹底するんだ、さすが、素晴らしい」
と感服しながら、一方で
「また物欲が湧いたりして・・・コンデジ方面とか・・・ いや、ないよね」
などと薄々感じておりまして  笑
失礼な言い方で申し訳ありません。

読者とすると、これでまた新たな機材レポートを楽しめそうで、期待が膨らみます。
いえ、必ず買って、という意味ではありません 笑

完全にバレてますねー…さすがです。

コンパクトカメラ、かなり欲しいのは欲しいんですけど、記事を書いたあと冷静になって考えると、そもそもそんなにお金がないという現実が…

どうしようかなー

はじめまして。いつも楽しく記事を見させてもらってます。
先日自分も同じようにコンデジ(コンパクトなデジカメ)を探していまして、候補も主さんの三種類+OLYMPUS E-PL9/10とそっくりでした。やはり趣味で写真をやってると欲しくなってしまうんですね!

鳥栖さん、はじめまして!コメントありがとうございます!

カメラ機材は基本的に「小さいが正義」だと思うんですよねー。いや、ゴツいフルサイズ一眼レフもかっこいいんですけど、持ち出すハードルが上がっちゃうというか…
OLYMPUSいいですね!PLシリーズは小さくて値段も安いのがいいです。でもやっぱりマウントをこれ以上増やすのはキツいか…

コンパクトなカメラ探し、もう少し悩んでみますね!(買わない、という選択肢も含めて…!)

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