FUJIFILM GFX50S Ⅱ (2025-)

2025年9月、富士フイルムのラージフォーマットカメラ「GFX50S Ⅱ」を手に入れた。

そろそろ購入から3ヶ月を経過するので、このカメラの特徴や使用感、良し悪しについて書いてみたいと思う。

GFX50S Ⅱというカメラ

GFX50S Ⅱは2021年9月発売
発売から4年が経過しており、2025年12月現在すでにディスコン。
今は中古市場でしか手に入らない。

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO5000)
FUJIFILM GFX50S Ⅱ × Mamiya Sekor C 80mm F1.9
Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/100 sec, ISO8000)
背面。十字キーはない。

ラージフォーマット

43.8mm×32.9mm「ラージフォーマットセンサー」を採用。
これは初代GFX50Sと同じものらしい。
枯れた技術というやつだ。

なお、GFXシリーズを「中判デジタル」と呼称するメディアもあるが、フィルム時代のいわゆる「中判カメラ(最小でも60mm×45mm)」と比べるとセンサーサイズがだいぶ小さいため、安易に「中判」というワードを使うとめっちゃ怒られるので注意が必要だ(公式は「ラージフォーマット」表記)。

とはいえ、フルサイズセンサー(24mm×36mm)と比べると約1.7倍のサイズ
「圧倒的にレベルの違う画質」とまでは言えないかもしれないが、フルサイズとは一味違った画質を体感できる…はずだ。

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/125 sec, ISO6400)
大型センサーは、実物を見ると結構ビビる。

GFX50S Ⅱが採用しているのセンサーは、ラージフォーマットでも約5140万画素のもの。
今はGFXシリーズも1億画素が主流となっており、いまやフルサイズでも5000万画超えは珍しくない。
画素数不足なのでは?という疑問があるかもしれない。

確かにトリミング耐性や引き伸ばした時の情報量で1億画素に劣るのは事実だ。

しかし5000万画素に抑えることでフルサイズと比較して1画素あたりの面積が大きく、センサーの受光量の面でかなり有利になるようだ。
この物理的な余裕が高感度ノイズの出にくさや広いダイナミックレンジ等、画質にいい影響を与えている。

極端なトリミングや大伸ばしをする用途がなければ、これくらいの画素数で必要十分以上だろう。

イチオシ機能

個人的イチオシ機能を3つ紹介する。

まずは防振機構
ラージフォーマットは、より小さなセンサーの写真と比較しても、手振れによる画質悪化の影響が大きい。
そのため、最大6.5段分のボディ内防振機構はこのモデル最大の利点だ。

次に3方向チルト液晶
Canonのバリアングル液晶にも慣れてきたが、私は動画を撮らないのでチルト機構がベストだ。
カメラから離れた位置にモニターが移動せず、感覚的に操作しやすい

最後にフィルムシミュレーション
「自分の色」がいまだに定まらない私にはありがたい機能。
最近はクラシッククロームのカスタム(「FSレシピ」というらしい。Xストーリーズに掲載されている。)を使わせてもらっている。
とにかく手間要らずなのがありがたい。

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/125 sec, ISO6400)
懐かしの、3軸チルト液晶。枠は厚め。

イマイチ機能

機能的にイマイチな部分も紹介しておこう。

まず、GFX50S ⅡのセンサーはコントラストAFのみ対応
Canonの像面位相差AFに慣れてきたのでこれは結構マイナス。
とはいえMFレンズなら全く気にならない

次に、有機EL0.5型369万ドットのファインダー
EOS R6 Mark Ⅱと同じスペックだ。
定価(49.5万円)的にもう少し頑張って欲しかった。

最後にフォーカスレバーによるメニュー操作
これは個体差かもしれないが、メニュー画面で使用するとフニャフニャして選択をよくミスする。
個人的には、セレクターボタン(十字キー)はやっぱり必要だと思う

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/125 sec, ISO8000)
マニュアルレンズなら問題ないぜ!

デザイン

2021年2月に発売したGFX100Sと同じデザイン
いわゆる「一眼レフカメラ」っぽい外観だ。

細かく見ていくと、ラージフォーマットカメラをフルサイズカメラ並のサイズに収めるため、色々妥協している感じはする。
なので特に質感は別に良くない
言うほど悪くはないが、X-Pro2やX-T2あたりの質感と比べてしまうとチープ感は否めない。

このカメラは外観を愛でるカメラではない、ということだろう。
質感を妥協したおかげで、筐体は軽い(約900g)。

また、富士フイルムのカメラの特徴でもあるダイヤル操作は最小限となっており、ISO、シャッタースピードダイヤルはない。
代わりにモードダイヤルでの選択式となっており、カスタム登録はC1〜C6と非常に多い。

「富士フイルムらしくない」操作性が賛否分かれるところだが、より実用性を重視した結果とも言えるだろう。

昔はこの変化が許せなかったが、最近はそこまで気にならない。
いい写真が撮れればそれが一番いい。

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO1000)
カスタムダイヤルはC1〜C6。仕事用、という本気度を感じる。
Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/100 sec, ISO20000)
GFX100Sとの外観上の違いはここだけ。

所有レンズと作例

私が所有するGFレンズは1本のみ。
最近、645判のオールドレンズを買い足した。

GF35-70mmF4.5-5.6 WR

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/5, 1/100 sec, ISO4000)
GF35-70mmF4.5-5.6 WR。コンパクト。

キットレンズ。
ージフォーマット用のレンズとは思えない小型・軽量なズームレンズ。
コンパクトと低価格を実現するため、絞りリングが省略され、沈胴式、プラマウントとなっている。
コストカットと機能の両立への、開発者の努力が窺える。

写りに大きな特徴はないが、しっかりと描写してくれる印象。
さらに、地味に寄れる(最短撮影距離0.35m)
最小絞り値が暗いし、焦点距離も短いので、いわゆる「ラージフォーマットの描写」を楽しめるかはわからないが、「GFマウントでとにかく写真を撮りたい」という人におすすめのレンズだと思う。

FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 43.3mm, f/8, 1/350 sec, ISO100)
横浜の朝。人は少ないに限る。
FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 60.7mm, f/5.4, 1/250 sec, ISO100)
秋のような写真だが、真夏だ。暑い。
FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 70mm, f/5.6, 1/80 sec, ISO100)
いつもお疲れ様です。知らんけど。
FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 70mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO160)
立川の秋。光の周り方が良かった。端正な写り。
FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 35mm, f/5.6, 1/17 sec, ISO3200)
朝の品川は、なんか良かった。マジックアワー。
FUJIFILM GFX50S II (GF35-70mm F4.5-5.6 WR, 70mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO250)
描写には破綻がない。あのコンパクトなレンズで。

Mamiya Sekor C 80mm F1.9

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/5, 1/125 sec, ISO8000)
Mamiya Sekor C 80mm F1.9。かっこいい。

Mamiya Sekor C 80mm F1.9は、一部で熱狂的な人気を誇る国産オールドレンズ。
ここ最近は中古市場でもかなり品薄になっており、手に入れるのが大変だった(私はオークションで手に入れた)。
F1.7の明るさを誇る、Mamiyaの中判カメラM645シリーズ用交換レンズのフラッグシップモデル

絞り開放時に光が滲むような描写になるのが特徴。
このレンズならではの味を活かした撮影を研究したい。

FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/4700 sec, ISO200)
手前の枝のボケ感に、オールド特有の味がある。と思う。
FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/35 sec, ISO1600)
三越といえばライオン。ポートレートもお手のもの。
FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/120 sec, ISO1000)
銀座の歩道。床材の質感がエグい。
FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/120 sec, ISO640)
玉ボケはこんな感じ。良し悪しは…どうなんだろうか。
FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/120 sec, ISO200)
ピントは奥の自動車。手前の道路のボケは優しい。
FUJIFILM GFX50S II (Sekor C 80mm F1.9, 80mm, f/1, 1/120 sec, ISO640)
グレインエフェクトと併用すると雰囲気が出るよね。

個人的な感想

いいカメラを買った。
新しいフォーマット、新しい写真体験ができる(かもしれない)期待に胸が膨らむ。

メーカー純正レンズが高すぎるが、慌てず、時間をかけて揃えていきたい。

なお、直近で発売したGFX製品ラインナップ(GFX100S Ⅱ、GFX100RF)を見る限り、GFXは1億画素センサーモデルに完全にシフトしており、今後5000万画素センサーを採用したモデルが出る可能性は低いと思われる。

そうなると、このGFX50S Ⅱはより貴重なモデルとなる。
大事に使っていきたいと思う。

Canon EOS R3 (EF100mm F2.8L Macro IS USM, 100mm, f/8, 1/125 sec, ISO6400)
よろしくお願いいたします。

でも、1億画素も体験してみたい。どんな描写になるのか…。