ライカの単焦点レンズ「ELMARIT-M f2.8/28mm ASPH.」。
エルマリート28mmの5代目にして現行レンズ。
私がこのレンズを購入したのは2020年2月25日。
だいたい約1年8ヶ月経過している。
撮影枚数は2,516枚。
うち735枚が東京(2020年3月)、1,781枚が札幌(2020年4月〜2021年11月)。
月平均の撮影枚数は、東京時代が約700枚/月、札幌時代が約90枚/月。
撮影枚数が劇的に落ちているのは、購入直後のスタートダッシュから時間経過による興味の減退が主な原因だと思うが、東京→札幌への転居も一因だろう。
いずれにせよ、撮影枚数の変遷はこのレンズの評価とは別問題だということを強調しておきたい。
LEICA ELMARIT-M f2.8/28mm ASPH. の描写については、さまざまな媒体で語り尽くされていると思うが、私が1年以上使ってみて感じているのは「思った以上にシャープな描写をする」ということ。
このレンズを買うまでは、「ライカレンズ=味のある描写、柔らかい描写」という偏見が少なからずあったので、ここまで線が細くて素直な、現代的な描写をするとは思っていなかったのだ。(ライカにノスタルジックな写真を期待していた面も少なからずあったので、期待していたものと違った、という落胆があったことは否定しない。)
私の主な被写体は現代的な建物、無機物、パターンといったものが多いので、そういう意味では被写体に適したレンズを買ったと言える。結果論だけど。
ちゃんと買う前にリサーチしておいてどうぞ。
色乗りとかはわからない。
Mモノクロームしか持っていないので判定しようがない。他の方のレビューを見ていて、色に関する評価がないところを見ると、問題がないということなんだろう。知らんけど。
28mmという画角は、ライカM型カメラのレンジファインダーに適しており、やり過ぎないパースや広がりを表現できる。
遠景や風景、観光名所を撮影すると焦点が定まらないクソ写真になることが多いが、直径5m以内の被写体を撮影するときは非常に重宝する。
最近、広角レンズを使うと「ビルを見上げる写真」「道を角度をつけて撮る写真」「通路を真正面から撮る写真」ばかりになる。
もっと撮影バリエーションを増やしていきたいところだ。
私が持っているライカMレンズはこのレンズと「SUMMICRON-M f2/50mm (3rd)」のみだが、ラインナップはこれで完成されていると感じる。
…というか、Mレンズは必要のないレンズをポンポンと買えるような値段じゃない。
本当は35mmも欲しいのだが、ズマロンのいい個体が出てくる前に価格がありえないくらい高騰してしまっている。
もう買えない。でもいいの、28mmがあれば。
自然風景とは相性が悪いみたいなことを書いたが、あくまでも私の場合はそうだ、ということだ。きっと28mmレンズで素晴らしい風景写真を撮影している方はいる。
私にはその技術も根気も、そして興味もないというだけだ。
28mmはすすきののような街を撮影するときにこそ効果を発揮すると思う。
でも本当は人物の入ったストリートフォトがメインテーマなんだろうなぁ。
私には撮れない。ご時世的にも撮りにくい。
札幌に来てから撮影ペースが落ちたという話。これは本当だ。
東京と比較して撮影したい場所は劇的に減少しているし、そもそも昔から知っている街だ。
そこで興味を惹くものを探し当てるのは至難の業なのだ。
観光地に行ったときに撮影枚数が跳ね上がるのは仕方がないことだと思う。
その土地、その場所に対する興味の度合いが全然違うから。
「日常に潜む素敵な一瞬を切り取る」
…口で言うのは簡単だけど、私にとっては死ぬほど難しいことだ。
日常は、退屈なのだから。
カメラ機材を買う。撮影意欲が戻る。飽きる。撮影意欲が下がる。カメラ機材を買う…という無限ループは抜け出せそうな今日のこの頃だが、抜け出した先にあるのは「興味がないけど惰性で撮影する毎日」。
自然風景を撮影するために購入したソニー勢。
ノスタルジーに突き動かされて再購入した富士フイルム勢。
とにかく買わなきゃ、という強迫観念により購入したリコーGRⅢ。
そしてライカ。
この先どんな未来が待っているか想像できない(いや、ある程度想像できる)が、このラインナップをあと5年・10年継続させる、と言うことはないだろう。無理だ。それは断言できる。
いずれはカメラをやめる日が来るのか、その日は近いのか遠いのか。
このまま札幌に住み続ける結果になれば、その日はきっと劇的に早まるのだろう。
かといって、東京に移住すれば全てが好転するわけでもない。
なんか最近疲れやすくなっているし、撮影に歩き続ければ腰が痛い。撮影中に集中力が続かないし、そもそも街ゆく人がみんなマスク装着でなんか萎える。
写真を撮ることは強制ではない。
そんなことを考えながら、でも他にやることもないので、今日も街へ行く。
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