ショーウィンドー

FUJIFILM X100F (FUJINON 23mmF2, 23mm, f/5.6, 1/35 sec, ISO200)
ショーウィンドー。

フィルムシミュレーション「ACROS」

 

さて、今回はぼくが愛してやまない白黒フィルムシミュレーション「ACROSについて書いてみようと思う。
まずは、その沿革から。

登場

ACROSがフィルムシミュレーションに加わったのはX-Pro2が発売された2016年3月3日

ひな祭りだ。…どうでもいいが。

ところで、フィルムシミュレーションとは何かというと、FUJIFILM Xシリーズ独自の撮影モードのことである。
基本的にXシリーズのカメラは必ずフィルムシミュレーションを選んでから撮影するようになっている。

この辺はフィルムメーカーらしい演出だ。
写真を撮るときは、まずどのフィルムで撮るかを決める、ということなのだろう。

そういうところがかっこいい

…さて、他のフィルムシミュレーションもだいたいそうだが、この「ACROS」にも元になったフィルムがある

元になったフィルム

ネオパン 100 ACROS」。

そのままだけど、これがフィルムシミュレーション「ACROS」の元になったフィルムだ。

ちなみに富士フイルムのホームページでは「黒白フィルム」として紹介されている。

…「白黒」フィルムじゃないのか。

以下、公式サイトの説明。

中庸感度、超高画質の黒白写真用ネガティブフィルムです。このフィルムは、ISO100としては世界最高水準の粒状性と豊かな階調、優れたシャープネスを備えていますので、ポートレート、風景写真、建築写真、商品写真から顕微鏡写真や複写用途に至るまで幅広い分野の撮影に適しています。
また、優れた相反則不軌特性を有しており、低照度長時間露光による感度低下が非常に少なく、建築写真や夜景などの長時間露光の撮影では特に効果を発揮します。


黒白フィルムラインアップ – ネオパン 100 ACROS

より引用

…うん、わからん。

中庸感度とは

ISO100のフィルムのことを俗に「中庸感度」と呼ぶらしい。

フィルムの世界において

  • ISO25やISO50などを「微粒子フィルム
  • ISO100クラスを「中庸フィルム
  • ISO400クラスのものを「高感度フィルム
  • それ以上のもの(ISO1000〜ISO3200)を「超高感度フィルム

と呼ぶそうだ。

ちなみに感度(ISO値)とは何か。

基本的にはデジカメのISO値と同じだが、説明すると以下のようになる。

全てのフィルムには感度が設定されている。これは単純に、ネガでもブレのない、いい写真を撮るために必要な光の量を示しているんだ。数字が大きくなるほど、必要な光の量は少なくなる。つまり、被写体を捉えるためにシャッターが開いている時間が短くてすむんだ。ということはもちろん、手ブレが入る間もないってことだね。


Lomography公式ページ「基本に戻ろう フィルム感度について」
より引用

まあ、中庸感度フィルムは「暗いところの撮影には向いていないが、より粒状感(画像のザラザラ感)が低く、なめらかな画像が得られるフィルム」程度に覚えておけばいいか。

ネガティブフィルムとは

通称、「ネガフィルム」。
フィルムにはポジフィルムとネガフィルムの2種類があり、

  • ポジフィルム(リバーサルフィルム)とは、”現像したフィルム上にコントラスト・色が反転していない陽画が写るタイプのフィルム”(Lomography公式ページ「ポジフィルムって何?」より引用)のこと。フィルムに直接色を焼き付ける。ラチチュード(露光の範囲)が低く、露出補正が難しいなど、現像の難易度が高いが、その反面色鮮やか・高解像な写真を作れる。
  • 一方ネガフィルムとは、被写体の明暗や色が反転した画像がつくられる写真フィルムのことである。一般的に市販され、使用されてきたのはこちらの種類である。ラチチュードが広く、露出補正がしやすいため扱いやすい。階調のなめらかさにも優れている。(参考:Lomography公式ページ「ネガフィルムって何?」)

以上のように、それぞれ特徴がある。一般向けにはネガフィルムのほうが主流だと思う。

相反則不軌特性とは

ソウハンソク・フキ・トクセイ
…なんだそれは。

これは「写真用フィルムの実効感度が長時間の露出などにより低下する性質」のことらしい。

フィルムには(星景写真を撮るときなど)極端にシャッター速度を下げると、フィルムの性能が低下する性質がある。

ACROSはこれが非常に少なくて優秀…らしい。

オブジェ

FUJIFILM X-T2 (XF10-24mmF4 R OIS, 10mm, f/10, 1/180 sec, ISO200)
横浜のオブジェ。

つまりACROSとは

高感度に弱いが粒状性がなめらかで、長秒時露光にも性質が劣化しにくい、階調豊かな黒白ネガフィルム

である。

木

FUJIFILM X-T2 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 18mm, f/4, 1/3800 sec, ISO400)
冬の木。

フィルムシミュレーションACROS

さて、前置きが長くなった。

これらを踏まえて、フィルムシミュレーションに登場した「ACROS」の特性を見てみよう。

公式ページの説明は以下のとおり。

「ACROS」のフィルムシミュレーションは、超微粒子で知られる白黒フィルム「ACROS」の名を冠した新しいフィルムシミュレーションです。より滑らかな階調、引き締まった黒、美しい質感再現が特徴です。一般的な白黒モードとは一線を画する超高画質な黒白写真表現が可能です。

<ACROSの特長>
・ モノクロフィルムらしい滑らかな階調
・ 中間調はややメリハリがありつつもハイライトとシャドー部の再現性が良く破綻しにくい
・ ノイズリダクションは抑えめで、高感度で自然な粒状感があり、質感のある描写

※アクロスにYe/R/Gの3種のフィルターモードを組み合わせた撮影も可能です。


デジタルカメラ Q&A回答「アクロスのフィルムシミュレーションの特長は?」
より引用

つまり、「すごいモノクロモード」である。

「B&W」との違い

さて、ここで疑問がある。
ACROS登場前からフィルムシミュレーションに存在していた「B&W」というモノクロモードとは何が違うのか

結論から言うと、ダイナミックレンジは変えずに、トーンカーブの形状を変えているようだ。
ハイライト側ではB&Wよりもややコントラストが強く、シャドウ側ではやや弱い
シャドウ部のグラデーションがより繊細になっている。

また、粒状感にこだわっており、まるでフィルムで撮影したかのような「粒感」を再現している。
具体的には、フィルムの場合と同様、ハイライト部には粒が出ない等、フィルムの粒状感を再現している。
なお、一般的なフィルム調になるザラザラエフェクトでは画像全体に均一に粒子が乗るので、フィルムで撮影したような画像を完全再現できない

…色々書いたが基本的に公式ページの受け売りなので、正確でわかりやすい情報を見たい方は下記のリンクをどうぞ。

公式サイト「X Stories ー 新フィルムシミュレーション “ACROS”

なお、上記の理由からACROS使用時は「グレインエフェクト(画像全体に粒子が乗るエフェクト)」は使用しないことをおすすめしている
これについてはこれまで何回か紹介しているマップカメラのX-Pro2発売時のロングインタビュー記事を読むことをオススメする。

【FUJIFILM×マップカメラ】X-Pro2担当者インタビュー

ちなみに、このインタビューにはX-Pro2ユーザー、ひいてはFUJIFILM Xユーザーには必ず知っておいて欲しい情報が満載だ。
まだ読んでいないXユーザーの方は必ず読んでいただきたい。

作例

じゃあ、ACROSでどんな写真が撮れるのか。

しょうもない作例で申しわけないが、こんな感じだ。

大さん橋

FUJIFILM X-T2 (XF10-24mmF4 R OIS, 10mm, f/10, 1/1500 sec, ISO200)
大さん橋。

駅前

FUJIFILM X-T2 (XF10-24mmF4 R OIS, 22.9mm, f/10, 1/30 sec, ISO250)
駅前。

ショッピングモール

FUJIFILM X-T2 (XF10-24mmF4 R OIS, 10mm, f/10, 1/30 sec, ISO1000)
ショッピングモール。

以上、横浜。

柱

FUJIFILM X100F (FUJINON 23mmF2, 23mm, f/5.6, 1/40 sec, ISO400)
六本木の柱。

トンネル

FUJIFILM X-T2 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/4, 1/320 sec, ISO400)
トンネル。

まとめ

X-Pro2以降、白黒モードはACROS一択でB&Wは使ってないけど、ちゃんとモノクロ写真について考えている人は使い分けしているのかもしれない。

今後は作品として仕上げる時に現像ソフト側で白黒にすることもあると思うので、もっと勉強が必要だなぁ…

もう一回、読んでみるか…




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