写真を撮る習慣が抜けてしまって久しい。
思えば東京に住んでいた頃は、ほぼ毎週カメラを持って外に出て、街を撮っていた。
最近は気温が低い(マイナス10℃以下)こともあり、さらに外に出なくなってきたし、外出時にカメラを持って行く頻度も激減した。
そもそもどこへ行けば楽しく写真が撮れるのかも見当がつかない。
撮る機会が少なくなると、当然腕が鈍る。
そもそも「鈍るような腕がない」という問題はあるが、それでも「今より腕が悪くなる」と考えるとやっぱり定期的に写真を撮りに行きたいところだ。
一方で、カメラにとっても定期的にシャッターを押されることは非常に大事だと思う。
経年劣化に気づきにくくなるし、悪くすればバッテリーが液漏れするなんていう最悪のトラブルも起こりかねない。
やはり、カメラを使用せずに放置しておくのは非常に良くない。
そういうわけで、今回は久しぶりにライカM-P(Typ240)を外に持ち出してみた。
M-P(Typ240)
M-P(Typ240)は、2世代前のM型ライカ(レンジファインダー機)の「プロ用」という位置付けのカメラだ。
プロ用のライカとそうじゃないライカ…?
クラシックカメラモチーフのライカMに「プロ用」とかあるのか?
SONY ILCE-7RM2 (105mm F2.8 DG DN MACRO | Art, 105mm, f/8, 1/20 sec, ISO6400)
例えば、私が持っているM-P(Typ240)と、その通常モデルM(Typ240)との違いは何かというと…
- 前面の赤バッジがない、トップカバーに筆記体ロゴ
- 液晶モニターがゴリラガラスからサファイアガラスに
- バッファが1GBから2GBに(連写性能が向上)
- フレームセレクターが復活
- シャッター音が小さい
こんなところか。
正直、性能面ではかなりのマイナーアップデート。
どちらかというと「赤バッジが」デザイン的に苦手なのでM-Pを選ぶ、という人が大多数だと思う。
これでプロ用っていうのはちょっと違う気がするけど、まあ、世の中そんなもんだ。
それにしてもこのカメラ使うの久しぶりだ。
M-P(Typ240)、最後に持ち出したのは…あれ、夏のサロマ湖か?
去年の8月だね。
やばいね。半年以上前。
もう少し定期的に使ってあげないとカメラが腐る。
せっかく○○万円出して買ったカメラが台無しだよ。
…とはいえ、今回はちょっとした撮影散歩。
レンズはSUMMICRON-M 1:2/35mmを装着して、特に目的を定めず家を出た。
決めていたのは「今日はカラーを撮る」ということくらいか。
朝日を浴びる冬の地方都市を、印象的な「ライカの色」とやらで捉えよう。
写真
トンネル
定期的に撮ってる坂の途中にあるトンネル。
ちょうど朝日が斜めから入っているのでいい感じの写真が撮れるかも!
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO1000)
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/11, 1/125 sec, ISO1000)
暗いところに弱い印象のM-P(Typ240)だけど、光が入っている部分のグラデーション、質感描写は案外しっかりしている。
でもちょっと写真全体が暗すぎたかもしれない。
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/4.8, 1/125 sec, ISO1000)
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/6.8, 1/500 sec, ISO1000)
これがライカレンズの力なのか、撮影する写真の立体感・質感が自然で、現実感?実在感?が非常に高いと感じる。
ゴミとかアスファルトの質感が素敵だ。
この描写は他のメーカーに真似できない、独自のものと感じる…。
いや、プラシーボかこれ
歩道橋
トンネルを抜けた先は歩道橋。
特に向こう側に用事はないが、登ってみるか。
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/5.6, 1/4000 sec, ISO1000)
光る歩道橋。
少し黄色がかっているのはライカの色味か、歩道橋の黄ばみか。
なんにせよ、私は結構この写真好きだ。
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/6.8, 1/1000 sec, ISO1000)
歩道橋の床面。
経年によるくたびれた雰囲気が、このカメラ・レンズとマッチしているように感じる。
私の今の心情にもベストマッチしている。
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO1000)
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO1000)
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/5.6, 1/1000 sec, ISO1000)
歩道橋の上から、車道を見下ろす。
うっすら雪が積もる寒々しい路面が素敵。
やっぱり質感に現実感があるように感じる。「寒さ」を表現できるのはすごい。
当たり前だけど、カラー写真はモノクロ写真よりも現実感がある、ということだろうか。
朝の道路は朝マック並みに旅の気配を感じて結構好きだ。
何もかもから逃げ出して、長い旅に出たい…。
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/4, 1/2000 sec, ISO1000)
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/6.8, 1/1500 sec, ISO1000)
冬の道路には、滑り止め砂。
春には山盛りの砂が道路脇に避けられるぜ!!
朝の空
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/4.8, 1/4000 sec, ISO1000)
雪国名物、「停止位置」標識だぜ!
冬季間は雪が積もって道路に引いてある停止線は見えないぜ!!
Leica Camera AG LEICA M (Typ 240) (SUMMICRON-M f2/35mm, 35mm, f/11, 1/4000 sec, ISO1000)
朝の空。
そろそろ疲れたので、一旦帰宅…。
まとめ:現実を写すカメラ、M-P(Typ240)。
この後、駅前に移動してもう少し撮影したけど、それは別の記事で出そう。
久しぶりに使用したM-P(Typ240)は、「現実が現実の通り写るカメラ」だと感じた。
いや、どんなカメラも現実を写しているんだけど、なんというか、質感・立体感がやりすぎず、それでいてしっかりと描写されていると感じる。
そして、これはオカルトな意見だけど、撮る人の心情を写してくれるカメラだと感じた。
M-P(Typ240)で撮影した写真は、なんだかくたびれた私の心に刺さるものに仕上がった気がした。
私の数あるカメラの中で、このカメラの優先順位は高くない(一番低いかもしれない)。
今後、このカメラを死ぬまで所有するビジョンは全く見えないけど、リセールバリューが激低なので、ひとまずはできるだけ長く保持しておきたい。
そのうちプレミア付くかもしれないし。
…お金に困ったら、最大限高値で売ろう。
いやいや、いいカメラだよこれは。
レンジファインダーカメラの撮影はいつもチャレンジで楽しい。
今は私がこのカメラの、カラー写真の撮影法をわかっていないだけだ。
今後もM MONOCHROM(Typ246) と併用して使用頻度を上げていき、いずれはスタメンたち(α7R Ⅲ、X100F)を食う活躍を見せてほしい。
ps. マップカメラにX-T5の新品同様品が入荷していたが、購入を踏みとどまった自分を褒めてあげたい。
正直、今買っても撮りたいものがない。
コメントを残す