【雑談】物欲に抗う

イントロダクション

物欲。

私はここ数年、常にこの欲望に悩まされてきた。
こいつはある日唐突に降りてきて、私の財布から金銭を強奪していく。

これまではその欲望に忠実に、欲しい物を買っては手放し、また買って…を繰り返してきた。もちろん貯蓄は増えない。これはやばい。

今回は、(私が)物欲と正面から向き合い、克服するための記事だ。

【実例】発作のように起こる物欲

ライティングに必要な機材を探していたはずが…

ここ最近、本格的に物撮りを始めようと、必要な機材を物色している。だから、ストロボやスタンド、バックペーパーを買おうと色々と調べている。

「いきなり派手な出費の話で草生える」とか言わないでほしい。ライティング機材はもともと買う予定だったし、今後のカメラライフを考えれば必要な投資だ(たぶん)。

ともかく、「ちゃんと目的を持って、必要な物を買おう」と探していたわけだ。

…そのはずだったのに。

  • マップカメラのカートになぜかCanon EOS 5D Mark ⅣとEFレンズ数本(50万円相当)が入っている。
  • 別の日には品切れ状態が続いていたCanon EOS R5(45.5万円)がカートにイン。
  • さらに翌日はSUMMILUX 50mm ASPH.(50万円)がカート内にエントリー。
  • そして最終的にはM10モノクローム(110万円)が堂々の登場。

…なにこれ怖い。(カートに入れただけで買ってはいない)

この4ヶ月間で購入した物と、その価格。

ちょっと危機感を感じたので、ここ4ヶ月に生活費以外のものに費やした金額を算出してみた。

商品名 購入月 価格 使用頻度
吉田カバン HEAT トートバッグ 2020年11月 27,450
SONY α7R Ⅲ 2020年11月 340,721
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art 2020年11月 118,800
SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art 2020年11月 84,150
SONY 縦位置グリップVG-C3EM 2020年11月 23,800
RICOH GR Ⅲ 一式 2020年12月 127,970
Nintendo Switch 2020年12月 32,970
Peak Design everyday backpack Zip 20L 2020年12月 27,235
Microsoft Office360 2020年12月 12,984
SONY SEL55F18Z 2021年1月 86,259
濱田英明「DISTANT DRUMS」 2021年1月 7,170
MG ガンダムMk-Ⅴ 2021年1月 9,203
HUNTER×HUNTER(Kindle全巻) 2021年1月 16,450
セバスチャン・サルガド「GENESIS」 2021年1月 9,189
セバスチャン・サルガド「SAHEL」 2021年1月 7,193
YAECA チノ、デニム 2021年1月 42,900
ソシャゲ課金 2021年2月 20,000
合計 994,444
差引計(カメラ・レンズ売却代金差引) 748,139

…何をやってるんだ、私は。

カメラの買い替えが大きな負担になったことは間違いない。下取りを利用したが、明らかに出費の方が大きかった。
それにしても、年末年始はだいたい頭がおかしい。

突然、写真集を複数購入した。
写真集で写真の勉強をしよう!という考えも悪くないが、いっぺんに買いすぎ

以上の出費はカメラ関係だからまだいい。

「品切れ状態が回復したから」という理由で買って、いまだにほぼ使っていないNintendo Switch。
積みプラが大量にあるのにプレミアムバンダイで「偶然見つけて衝動買い」したガンダムMk-Ⅴ。
お前らはダメだ。

そしてソシャゲ課金…は言うまでもなくアウトだ。泡になって消えた。

4ヶ月で75万円。

これはどう考えてもまずい。

自己分析

なぜこんな事態になっているのか。私の精神状態はどうなってしまっているのか。

自己分析をする必要がある。

私はなぜ、高価な物を立て続けに買ってしまっているのか?
なぜ毎週末、Amazonの荷物が届くのか?

「今しか買えない」に弱い

私はとにかく「今しか買えない」ものに弱い。

  • 品切れ状態が解消、今買わないと売れ切れる!:EOS R5、Nintendo Switch、GENESIS、YAECAチノ、デニム
  • ○年ぶりの復刻。今買わないでいつ買うの?:ニューバランスM1700、NIKE AIR MAX 95(けっきょく買えず)
  • 数量限定商品。次いつ買えるのか分からない…:ガンダムMk-Ⅴ、DISTANT DRUMS
  • 今しか貰えない特典がある!(結局貰えず):ソシャゲ課金

「早く買わなきゃ」という強迫観念と、「待つのが嫌い」という我慢弱い精神がそうさせるのだろう。

ファン心理

自分に必要がない物でも、「あの人が使っているから、持っているから」と言う理由で物を買うことが多い。

  • セバスチャン・サルガドが使っているから、Canonの一眼レフが欲しい。
  • アラン・シャラーの写真がかっこいいから、M10モノクロームと24mm単焦点が欲しい。
  • 坂本龍一が履いているから、ニューバランスが欲しい。

ミーハーな「ファン心理」で物を欲しがっている自分がいる。そこに自分の意見はない。
いい歳してこれでは、先が思いやられる。

必要性<コスパ

必要性で物を選ばず、「このタイミングで買えば、いつもよりお得に買える」ことを理由にして物を買う。

  • キャッシュバックキャンペーン。今買わないと!:α7R Ⅲ、SEL55F18Z
  • 早く買わないと。プレミア価格になる前に!:GENESIS、SAHEL
  • 下取り交換できるうちに買ってしまおう!実質0円!:GR Ⅲ、SIGMAレンズ

必要性があって買ったわけではないので結局いらなくなり、二束三文で売りに出す。
…コスパってなんだろうね。

いいわけ

  • 独身だから、本来は家族サービスに割く金銭を自分に注ぎ込んでヨシ!
  • 実家で生活しているから、浮いた家賃分は贅沢してもヨシ!
  • 飲みに行かないから、その分物を買ってもヨシ!

そういう言い訳が積み重なって、「だから私は浪費が許される」
そんな「自分常識」が作られてしまっている。

そして今、それに歯止めがかからなくなってしまっている。

物欲の発生源

物欲はどこから来るのか。

私の結論は、「物欲は情報から発生する」である。

知らないものに、物欲は発生しない。知ることから物欲もはじまる。
物欲を作り出している情報が主にどこから来るのかをリサーチした結果、私の場合は以下の情報源が大半を占めていた。

マップカメラ「欲しいリスト」

マップカメラの「欲しいリスト」に欲しい機材を登録。
…これをやったら最後、頻繁に価格変動や入荷のメールが来るようになる。
そして、四六時中その機材を意識することになるのだ。

これは効果的なマーケティング手段だ。強制的にその対象物に意識を向ける。
そして価格の動向を追っていくことで、ちょっと安くなった時に「今買わないと損!」という感覚に陥ることになる。

最新情報系サイト

デジカメinfoとか、早耳ガンプラ情報局とかがこれに当たる。
自分でやっておいてなんだが、ブログの新商品レビュー記事とかもこれに当たる。

発売前の噂やスペック、発売後のレビュー情報が網羅されているので、手軽に新製品について知ることができる。

そして、知ると欲しくなる。

Twitterの購入報告

ソーシャルメディアに依存していると、その世界で起きていることを世界の常識だと錯覚してしまう。
景気の良い「○○買いました」報告
フィルム最高、ライカ最高、中判最高、あれもこれも、最高

経済状況も置かれている状況もまるで違う人たちに、一方的に親近感や同族感を感じるのがTwitter
「あいつが買ったんなら、俺も買って良いはず」という洗脳が無意識的に行われるのだ

YouTubeのレビュー動画

これはTwitterと似ていて、YouTubeも機材レビュワー達がとにかく「これはいいものだ!買わないと!」と煽ってくる。
50万円しようが100万円しようが関係ない。
「私が買ったから、あなたも買うべきだ。」そういう脅迫にも似た暴力的な物欲を投げつけてくる

メーカーの宣伝とは違い、「視聴者と同じ消費者目線」で語りかけてくるのが逆にタチ悪い。

広告

バナー広告も侮れない。
ニューバランスの靴をリサーチした後、その後訪問したホームページの広告がニューバランス一色になった。
どこに行っても付いてくる。「買え、買え」と語りかける。
この方法は一見露骨すぎて効果が薄そうだが、どんなに露骨でも「常に目に入る」という状況は、思いのほか効果的なのだ。刷り込みって怖いね。

自分のブログにも貼っているのであまり偉そうなことは言えない…。)

考察

と、ここまで物欲の発生源について考察してきた。

…さて、そろそろ自分の物欲と向き合おう。私の物欲の正体はなにか。

物を買った時に感じる「満足感」の正体

新しい物を買ったとき、私がどんな「満足感」を感じているのか。
それを考察してみよう。

  • 優越感:あいつよりも良い物を所有している!俺すごいサイコー!
  • お得感:あいつよりもお得にゲットしたぜ!俺賢いサイコー!
  • 限定感:今しか買えないアレをゲット!あいつは持ってない!俺ラッキーサイコー!

…いったい誰と戦っているのか。「あいつ」って誰だ。

これはいわゆる「他者との比較」ってやつだ。これに囚われている限り幸せになれない。
「嫌われる勇気」でいったい何を学んできたのか。もう一回読み直せ。

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「欲しいもの」が「必要な物」とは限らない

物を買う目的は「必要性」「有用性」であるべきだが、私の買い物は基本的に「欲しい!」から始まる。欲しいものが先に来て、それを使う用事を無理やり考える。
で、いざ買ってみると全然そんなことはやりたくないので使わなくなる…。

そんなヤツいないだろ、と思うかもしれないが、残念ながら私がそうだ。
少なくともつい最近までそうだった。

人は、必要なものを欲しがるとは限らない。
だから、理由もなく「欲しい」と思ったら、警戒する必要がある。
買った後、1ヶ月後、半年後、1年後のの状態を想像して、買うべきかどうか判断しなくてはいけない。

必要なもの、すなわち「自分を前進させるもの、向上させるもの」にコストを支払うべきだ。
「ただ欲しいだけのもの」を買ってはいけない。

「購入すること」が目的である場合、満足感は持続しない

「けっきょく使わなくなる物」に対する満足感は、総じて長続きしない。
今まで短期間で手離してきたカメラ・レンズは、ほとんどがあまり使用頻度が高くなかった。

もっとカメラを持って出かけなければ(強迫観念)。

対策

では、今後どのようなことに気をつけていくべきか。

物欲の原因を押さえる

物欲そのものを抑えるのはかなり難しい

だから、物欲は発生させないことが大事だ。

あまり新商品の情報に触れないようにする。購入報告が見られないようにする、もしくは見づらい状況に自分を置く。

具体的には

  • Twitterアプリを削除する、毎回ログアウトする
  • マップカメラの欲しいリストから登録を外す
  • 各種メールマガジンを解約する
  • ショップ系アプリを消す
  • スマホの通知をオフに

この辺から試してみよう。

物理的に購入を難しくする

すぐに使える金がなければ物は買えない。背に腹はかえられない。だから、強制的に「自由に使える金を減らす」ことを考えよう。

  • 余力があれば、貯金せずに投資する
  • ショッピングサイトからは必ずログアウトする
  • ショッピングサイトをブックマークしない
  • 月の限度額を設定する

「欲しいもの」と「必要なもの」を区別する

これから何をするのか。そして、それには何が必要なのか。
これを基準として必要なもの「だけ」を買う。

ファン心理とか対抗心で物を買わず、自分に適した物は自分で考えて買え。

そして、今持っている物を大事にしよう。

よそはよそ、うちはうち。

自分と、自分が「今持っている物」に自信を持とう。

まとめ

では、今回の記事をまとめよう。

  • 「欲しい」ものを買ってはいけない。「必要な」ものを買おう。
  • 人が買った物が欲しい、と思ったら危険。見栄と羨望で物を買わない。
  • 欲望を抑えるのは難しい。欲望の発生源から自分を遠ざけよう。
  • 自由に使える金を減らそう。

頑張っていこう。

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6件のコメント

YMさん、こんにちは

いやぁ、、、今回の記事極めて分かりやすいと言うかまるで自分のことを書かれた気がします。私の場合今はカメラだけですが、、、過去ゴルフ道具なんかも何度買い替えたことか。また、タイムリーに私も過去のお馬鹿なカメラ遍歴をブログに書き始めたところです、、、、

私の場合カメラ・レンズ・ゴルフクラブに共通するのは、、、

「新製品」「有名プロが使っている」だからきっと自分もそれを使えばもっと良い写真、もっと良いスコアが出るはずと言う誤った妄想ですね。幸いゴルフクラブは何を使っても同じと言うことがようやく分かり沼から出れました。まぁゴルフの場合、スコアと言う厳しい数字で判断できますからね、、、

カメラやレンズに関しては、、、Lightroomに残っている昔の写真を見返すと、、、あれっ昔の機種の方が自分の好みに合っていると言うことに気が付いて、、、これもようやく沼から出られそうです、、、

以上、昨年末にFUJIを全部売ってZ 6 IIに乗り換えましたが、、、Nikonの色が気に入らないと言うか、どうしてもFUJIのような色が出なくてまたFUJIに戻ったお馬鹿さんのコメントでした。

コメントありがとうございます!

ブログのカメラ遍歴、読ませていただきました!F2とかEOS5Dの初代とか、私なんてまだまだだなあ…と思いました。
富士フイルムに戻られたんですね!今まで撮影してきた写真でどれが一番好きか、という基準で見ていくと、私も同じような結論になりそうでこわいですね…しばらくは振り返らないでおこう。笑

とにかく自分の購買意欲を刺激しないように、細心の注意を払って生きていこう!と思います。CP+も今年は全く覗いてない…

おっしゃる通りです。

8万も9万もするレンズを指して
「この性能で10万円しないなんて、何と安い!」
なんて、カメラに興味のない方々からしたら正気の沙汰ではないですよね。

そして今や更に加速して、α1を
「こんなスーパーマシンが100万円を切るなんて奇跡!」
などと多くのYou Tuberさんが煽ってくる始末。

しかし一方で、私はYMさんの
「出たばかりの新機種をこれ見よがしに持ち歩いているのはダサい。
旧型を普段使いの風情で持っているのがかっこいい」
という言葉に救われた口です 笑

時々知恵袋や価格コムを覗くと、相変わらず、上級者を自認する方たちが型落ちやビギナー向け機種を口汚く蔑む風潮があります。
だから多くの人が「バカにされたくない」との心理で物欲に走る面もあるのかもしれない、とも感じることも。。もちろん、YMさんは違いますよ。

お互いにカメラを趣味とする者として、今後も楽しくやりたいものですね。

Hiroさん、賛同してくださってありがとうございます!

…と言っても、私も物欲にまみれた人間なので、偉そうなことは言えないんですけどね笑

最近は、極端なこと言えば10年前のカメラでもいい写真が撮れるんですよね…そういうことをちゃんと意識していかないとなーと思ってます。

何はともあれ、楽しく写真を撮っていきたいですね!

毎回の素敵な記事、ありがとうございます。今回も楽しく読ませていただきました。

PENTAXな私にとって今年は物欲開放年となるようで、新型機・FAリミ三姉妹のHD化・某スターレンズのリニューアル。やばいです。

「カメラが趣味なの?写真が趣味なの?」という妻からの定番物欲ストッパーワードは今年に限って効かないかもしれません笑笑

妻に「全部買うよ。」とは、口が裂けても言えない笑笑

コメントありがとうございます!

PENTAXは今年盛り上がってるんですね!物欲が刺激される1年…今年は禁欲を決めた私にとっては少し羨ましい気もします笑

でも私は毎年のように物欲解放していたので、今年はお休みしようと思います…。

ぜひ素敵なPENTAXライフを!

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