今年最後のM-P(Typ240)通信は豪華二本立て。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
もう正月も終わってしまったが、この企画を投稿しなければ私の2023年は終わらないぜ…。
今回のM-P(Typ240)通信12月号は、「12月にM-P(Typ240)で撮影した写真を紹介する」とともに、「今、M-P(Typ240)を選ぶ意義とは?」について、少し書いてみようと思う。
M-P(Typ240)と冬の札幌
年末の札幌市
帰省先の札幌で、少しの時間だが撮影ができたので、その時の写真を。
カラー写真って難しい。モノクロ撮影と同じように撮ってもかっこよくならない。
さらに、年末の札幌市の、いつものビル群。
いつもの通りの、いつもの冬。
撮り方も、撮る場所も、マンネリ化がすごい。
行ったことのない場所に行って、見たことのないものを見て、新しいインプットをしていかなければ今後は厳しいだろう。
正直、札幌はもういいかな…。
SUMMICRON-M 1:2/35mm(7枚玉)
レンズはSUMMICRON-M 1:2/35mm(7枚玉)。
「焦点距離35mmのレンズは市街地での撮影に最適」と改めて感じた。
この「7枚玉」は1990年代製造の少し古いレンズ。
現行のSUMMICRON35mmASPH.よりもコンパクトで、携帯性が高い。
オールドレンズというほど古くないため、写りも標準的でクセがない…ので、そこまで人気はないが、通常使用にはかなり使いやすい。
なにより、アポズミクロンや8枚玉のような貴重品ではないので、気分的には気軽に持ち出しやすい。(とはいっても常識から若干外れた値段ではあるが。)
所有しているなかでも、一番好きなレンズだ。
2024年にM-P(Typ240)はありか?
そもそもなぜM-P(Typ240)を選んだのか
2014年発売のM-P(Typ240)を買ったのは2022年6月。
暇つぶしに見ていたTwitterのタイムラインで流れてきた情報から全てが始まった。
「新品のM-P(Typ240)が大安売りしている。」
新品のM型ライカが、なんと約半額。
実際、約半額でもかなりの値段なのだが、100万円のカメラが40万円引き。
これはお得…!
とはいえ、8年前のカメラに60万円。普通じゃない。
…普通は買わない。しかし。
「当時のMにしか出せない色がある(らしい)」
「最新モデルを買わないのが逆に通っぽくてかっこいい(錯乱)」
「所有しているM MONOCHROM(Typ246)と親和性が高い」
などと、いろいろと理由をでっちあげ、購入ボタンを押してしまったのだ。
…押してしまったのだ…。
改めて、M-P(Typ240)というカメラについて。
M-P(Typ240)は2世代前のM型のプロフェッショナルモデル。
M-P(Typ240) →M10-P→M11-P(イマココ)
無印モデルと比較すると、赤バッジなし、軍幹部上面に筆記体ロゴ、メモリ増量、背面液晶がサファイアガラスにアップグレード…。
M9-Pくらいから毎回同じバージョンアップで発売していると記憶している。
M-P(Typ240)は8年以上前のカメラなのでいろいろと設計・機能が古い。
特に高感度耐性や画素数は時代相応だ。
そんなこの機種を選ぶポイントは、M型ライカに「最新の機能」を求めるかどうかではないだろうか。
ちなみに、動画機能は蛇足だと思っているので割愛する。使ってないし…。
M型ライカを選ぶ理由
M型ライカの最大の特徴は「かっこいい」こと。
そして「あり得ないくらい高価」なことだ。
普通の経済観念を持っている人間なら、このカメラは選択肢にすら上がらない。
この点、「カメラを趣味にしている人間」はだいたい経済観念が狂っているわけだが、そんな変態たちでさえ敬遠するレベルの値段のカメラなのだ。
スペックと値段が釣り合っていない。ありえない。
…だが、この常軌を逸したカメラには、なんかよくわからない「魔力」がある。
一度気にしてしまったら最後、なぜかどんなカメラかを調べたくなり、歴史を追い、レンズを調べ…いつのまにか選択肢に入れてしまう。
そして、何かの手違いで所有者になってしまう。
そんな狂気の塊なのだ。
最新機種を選べない理由。
なぜ、最新機種を選ばないのか?
理由はただ一つ。
値段だ。
カメラ単体というより、レンズも含めたシステムの値段。
M11-Pは140万円。6000万画素のセンサー。
必然的に最高画質のレンズが欲しくなる。
最高画質のレンズとは、アポズミクロンのこと。
1本100万円以上するのに、なぜか品切れしている変態レンズ。
何かの間違いでアポズミクロン50mmなんか買った日には、合わせてアポズミクロン35mmも欲しくなり、結局両方買うことになるのが目に見えている。
140万円+100万円+100万円=340万円。
新車のCX-30買えるわ…
M-P(Typ240)を選ぶ、積極的な理由…?
M型ライカで最新機種を追うのは絶対に無理だ。
だから、2世代前くらいがちょうどいい。
そんな消極的な理由で選んだとしても。
競合が少ないこのカメラは、いつしか「こいつが私の相棒だ」と錯覚させてくれる。
M-P(Typ240)は絶妙に古いので、SNSやYouTubeなどを見ていても、他のライカ所有者とあまり被らないのだ。
M型ライカの現在の主流は、圧倒的にM10世代。
特に「M10」と「M10-P」が多い。
この世代のM型はいわゆる「完成形」として非常に評価が高く、人気も絶大だ。
次点で「M9」「M9-P」あたりのCCDセンサーモデル。
CCDの写りが個性的で素敵…らしい。
正直、中古もあまり出回っていない上、センサー剥離したら直せないという非常に怖いモデルでもある。
それらと比べると、M-P(Typ240)は非常に中途半端な旧モデル。しかも不評な動画機能付き。
でも、だからこそあまり被らない。そこがいい。
わたしもM10-Pが欲しかった勢なので、正直言って羨ましさを禁じ得ないわけだが、M10世代はライカ界隈では完全に「レッドオーシャン」なのも確かだ。
「100万円でみんなが持っているカメラを買う」。
その事実にどう向き合うかは人それぞれだと思うが、天邪鬼な私はちょっと嫌な気持ちになること請け合いだ。
「M-P(Typ240)の絵」
最後に、このカメラの持つ特色について。
…結論から言うと、現行Mシリーズとは色味や絵作りが違うと言われる、M-P(Typ240)世代独自の絵作りについては、結局よくわからなかった。
だって、比較対象となる「他のM」を持っていないから。
こだわりポイントを挙げるなら、WBオートで撮影せずに「晴れ」にして撮影している。
補正するときに一律で作業できるし、個人的にはいい感じに色被りすると思っているので多用している。
せっかくカラーで撮影しているんだから、もう少し色にはこだわりたいところだが、JPEG撮って出し(炎上)で非常に好みの絵が出てくるので、今のところこれでサッと撮ってサッと保存してサッとアップするスタイルで定着している。
なんかもう、レンジファインダー機で撮るって、こんな感じでいいんじゃないだろうか。
結局、「2024年にM-P(Typ240)ってどうなの?
さて。2024年に、M-P(Typ240)が「あり」か「なし」か。
…これはもう、「人による」としか言えない。
「初めてのM型ライカ」で「絶対に失敗したくない」と言う人には、M(Typ240)は絶対に勧めない。素直にM10シリーズでいいと思う。バランスが取れていて最高のMだと思うので。
それでは、M(Typ240)シリーズをおすすめできる人はというと…
- 人と同じものが嫌な人
- M型ライカで動画を撮りたい変態
- お金がないけどM型ライカが欲しい人
あまのじゃくで変態な人に最適だぜ。
問題があるとすれば、このM-P(Typ240)ですら、状態のいい中古がほとんど出回っていないという現状か。
どこに行ってるんだろう?アラブ?中国?
まとめ
いろいろと書いてきたが、今のところ、M-P(Typ240)を手放す気がないくらいには気に入っている。
最近はM MONOCHROM(Typ246)とセットで持ち出して撮り歩いているときが一番気持ちいい。
使用頻度が下がってしまった他の機種を手放す事を真剣に検討するほどには入れ込んでいるので、それはそれで危険なカメラだ。
2024年も、よろしくお願いいたします。
追伸
M-P(Typ240)絡みで、「ライカSL(Typ601)」が気になっている今日この頃…
闇深い
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