α7R Ⅲの再購入に合わせて購入したソニーの標準単焦点レンズ、SEL55F18Z(別名Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA )。
SONYのFEレンズの中で「神レンズ」と名高く、人気のあるレンズだ。
今回はα7R Ⅲとの組み合わせで、春のモエレ沼公園を撮影してきた。

白樺林

白樺林道

白樺
ボケが美しい。
SEL55F18Z の、このじわーっとボケていく描写がとても好きだ。
2013年に発売されたやや古いレンズだが、特徴的な描写が非常に魅力的。
このレンズの正式名称は「SEL55F18Z Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」。
カールツァイス「ゾナー」銘のレンズで、T*コーティングによる高コントラストと美しいボケが特徴。
焦点距離は55mmと、通常の標準レンズよりも少しだけ長い。
最近のレンズとは異なり、コンパクトなサイズ感で取り回しやすい。
最近のカメラメーカーが忘れてしまっているミラーレス誕生時のコンセプトを思い出させてくれる。

コンパクト。

装着例
同じ純正の標準レンズと比べると、話題のGMレンズ「SEL50F12GM」や、ツァイスプラナーの「SEL50F14Z」などの大口径レンズは明るさによる大きなボケが楽しめるし、それぞれに素晴らしい描写なのだと思う(使用したことがないから比較はできない…)けど、どちらも重量級のレンズで、持ち出すにはちょっと気合がいる。
ちょっとした外出のお供に、という使い方なら、やっぱり「軽くて小さい」ことは正義だ。

道

野球場

モエレ山
それでは、SEL55F18Z はどんな被写体に向いているだろうか?滑らかなボケはきっとポートレイト写真や人物撮影にぴったり…だろうけど、私は人物を撮れないので除外する。
美しいボケは、自然風景の撮影にも向いているんじゃないか、というわけで公園内を散策。
白樺の接写や芝生の描写を見ていると、このレンズで撮影された写真には、なんだか「温かい雰囲気」のようなものがプラスされている…気がする。
「シャープな描写」というよりは「雰囲気のある描写」といった風情だ。ボケが印象的で、立体感を感じられる。

モエレ山

ガラスのピラミッド
この日撮影したのはモエレ沼公園。札幌市にある、イサム・ノグチがデザインした巨大な公園だ。
こういうデザインされた公園を一人散策して写真撮影していると、緑とデザインに癒される…かと思いきや、そうでもなかった。
この日は気温が高くて過ごしやすく、親子連れがたくさん遊びに来ていた。
気にしすぎかもしれないが、若干の「場違い感」というか、居心地の悪さを感じる。
おっさんのおひとりさまにはちょっと気を使う空間だった。
…気を取り直して、モエレ沼公園名物「ガラスのピラミッド」内部へ。このレンズで建築物を撮影すると、どのような写りになるか。

ピラミッド

ピラミッド内部

1階・床

階段

壁
55mmは建物内部の撮影には少し画角が狭いため、基本的には一部分を切り取った写真になる。でもそれが新鮮で楽しい。階段や壁にクローズアップして面白い構図を探すのはきっと写真の勉強になると思う。
建物内部=広角レンズという思い込みは捨てて、中望遠での撮影というのも面白いかもしれない。

俯瞰

線

ボケ
ボケが優しいので、この建物のように「無機質な直線を多用したデザイン」の建物でも、なんか柔らかい雰囲気になるのが不思議だ。
少しウェットというか。なんとも説明しづらいんだけど。

コンクリート

空
最新のレンズは「収差が少なく、開放からキレのある描写」というものが多い。もちろんそれはそれで素晴らしいことなのだが、このレンズのように「描写にそのレンズ独自の特徴がある」ものは少ない。そういう意味ではとても貴重なレンズなのかもしれない。
…どことなく、富士フイルムの人気レンズ「XF35mmF1.4 R」 と同じ匂いを感じる。
SEL55F18Z Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 。
7年以上前に発売されたレンズだが、いまだに人気が衰えないのも頷ける。
ソニーαシリーズのカメラを持っているなら、購入を一考するべきレンズだ。
【撮影場所:モエレ沼公園】
素敵な写真に文章を毎回ありがとうございます。
それにしても描写が素晴らしいレンズですね。欲しくなります♪
55mmというのが特に興味をそそられます。
このレンズ、特に開放付近のボケ方が独特で非常にお気に入りです。(2回買ってるし)
画角も独特で、50mmと同じようでなんか違うのが55mm、という気がしてます。
こうなると同じシリーズの35mmの方も気になってしまいます。…いや、買うとはいってませんが。