札幌をモノクロで撮影する。 -札幌市時計台-

札幌に戻ってきて半年が過ぎ、そろそろ夏も終わりに差し掛かった今、気がついた。

「札幌ならでは写真、北海道らしい写真」を全く撮ってない。これでは撮影地がどこなのかわからないし、北海道札幌市にいる、というアドバンテージがいかせていない。

これはいけない。撮らなくては。北海道らしい、札幌らしい写真を…!!

札幌といえば?と聞いて連想するものはなんだろう?…やっぱりあの建物から逃げるわけにはいかない。と言うわけで、今回は札幌を代表する建築物、「札幌市時計台」を撮影してみることにした。

札幌市時計台とは

時計台・全景
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/3.4, 1/4000 sec, ISO500)
時計台側面

言わずと知れた、札幌市のランドマークで、雰囲気のある2回建ての木造建築物だ。その立地の悪さから「日本3大がっかり名所の一つ」という不名誉な称号を持つ(後の2つは知らない)。

この時計台の簡単な説明は以下のとおり。詳しく知りたい人はリンク先の公式ページへGO!!

正式名称は「旧札幌農学校演武場」。

札幌農学校は、北海道大学の前身で北海道開拓の指導者を育成する目的で1876年(明治9年)年開校しました。演武場(時計台)はクラーク博士の提言により、農学校生徒の兵式訓練や入学式・卒業式などを行う中央講堂として1878年(明治11年)に建設されました。

札幌市時計台:時計台のあゆみより

今回はこの札幌を代表する建築物を、モノクロで可能な限りドラマチックに撮影しよう!という試みだ。

機材

代わり映えしない機材だが、今回も機材は以下の通り。…というか、代わり映えせず、無制限に増殖しない(させられない)機材で落ち着いて撮影に臨めるのは、実は本当に素晴らしいことなんじゃないだろうか。こんなことは近年なかった。そのうち新しいレンズが生えてくることも考えられるが、今はこの状態を楽しみたい。

LEICA M MONOCHROM(Typ246)

いつものカメラ。モノクロ専用なのでカラー写真は撮れない。でもそれがいい。変態のみが持つことを許されるカメラである。

X-H1 (XF60mmF2.4 R Macro, 60mm, f/11, 1/6 sec, ISO200)
LEICA M MONOCHROM(Typ246)

LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd)

メタルフードを得て生まれ変わったSUMMICRON(嘘)。今回は周辺立地が非常に悪い建物が被写体なので、余計なものを写し取らない50mmという画角は武器になってくれそうだ。

関係ないけど、レンズのデザインが先細りでかっこいい

レンズ2
FUJIFILM X-H1 (XF60mmF2.4 R Macro, 60mm, f/11, 1/5 sec, ISO200)
LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd)

作例

時計台をカッコよく撮影するポイント(と私が考えているの)は、「いかに背景に周りのビルを写さないか」。そのためどうしても近接撮影が多くなってくるけどしかたがない。

それでは行ってみよう。

時計台1
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/3.4, 1/3000 sec, ISO500)
時計台(アオリ)

手前の葉っぱを入れ込んでみた。時計台の建物は、古い木造建築物特有の雰囲気があっていい。

窓・壁
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/2.4, 1/1500 sec, ISO500)
レトロな窓。

レトロな窓枠と、壁。直線で構成されたデザイン。嫌いじゃないわ

時計台2
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/4, 1/4000 sec, ISO500)
斜め上構図
壁・窓2
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/2.8, 1/1500 sec, ISO500)
遠近感を強調

絞りをF2まで開け、背景をぼかして遠近感を強調してみる。ズミクロンのボケはとても素直で自然だと思う。

時計台3
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/6.8, 1/1000 sec, ISO500)
苦しい構図

隣のビルがほんの少し映り込んでしまった…まあ、これくらいならセーフ?とりあえず私の腕ではこの辺りが限界。絵葉書の写真撮っている人すごいね。

ここ最近、札幌の主要観光地(札幌市が所有する)の入場料が無料なっていたので、時計台の中に入ってみた。…何十年ぶりだろう。

内部1
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/4.8, 1/60 sec, ISO500)
窓からの光
窓
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/3.4, 1/350 sec, ISO500)
レトロな窓(内側)

この日は曇り。淡い光が窓から入ってきていいグラデーションを作り出していた。窓枠がいい感じの経年劣化していて雰囲気を出していた。

窓・壁
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/2.4, 1/180 sec, ISO500)
階段室に降り注ぐ光

2階への階段室にある窓からの光が一番気に入った。淡い光が木造の壁に当たっていい雰囲気を醸し出していた。無駄に何枚も撮影してしまったので、みていた人はさぞ不審に思ったことだろう。

クラーク
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/3.4, 1/25 sec, ISO500)
クラークと座ろう

みんな大好きクラーク博士。指を指していないクラークさんは初めてみた。なんか隣に座って記念撮影もできるらしい。いや、撮らなかったけども。

再び外へ出て、今度は定番の構図で撮影してみる。

見よ、これが「日本3大がっかり名所」の実力だ!

時計台3
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/2.8, 1/4000 sec, ISO500)
ビル映り込み

建物の前の通りから見上げて撮影。後ろと左をビルに囲まれている。遠近感を出しているので思ったよりもまともに撮影できたような気がする。

テラス
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/2.8, 1/90 sec, ISO500)
時計台撮影テラス…?

通りを挟んだ向かいのビルにある「時計台撮影テラス」。早速登ってみよう。

テラス
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/3.4, 1/4000 sec, ISO500)
テラス全景

おかしいな…他に観光客だ誰もいない。あと、なんか放射状のフロアがいい感じだったので撮影してしまった。

テラスからの景色
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) (LEICA SUMMICRON-M f2/50mm (3rd), 50mm, f/4, 1/2000 sec, ISO500)
ザ・残念スポット

これがテラスから撮影した時計台だ!!…やっぱりただ撮影すると背景のビルがうるさいなぁ。これはダメだ…。

なお、この建物の右側通りを渡ったところに札幌市庁があり、そこの展望スペースからも見下ろすことができるらしいんだけど、休日なので休みだった。

まとめ

札幌らしい写真を…ということで、最も有名(たぶん)な時計台を撮影してみた。歴史的建造物は管轄外ではあるんだけど、これはこれで工夫して撮影するのは楽しかった。でも立地が悪すぎるので、大型の公園とかに移設したほうがいいんじゃないだろうか。知らんけど。

この企画、次回以降があれば、また札幌、北海道のランドマークを撮影してみたいと思う。

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4件のコメント

こんにちは!!
何れも素敵な画で、愉しく拝見しました。
この時計台の辺りは、カメラを持っている時に通ると写真を撮ってみる場合も在るのですが、こちらのような「50mm画角の画」も好い感じだと思いました。機会が在れば、私も挑戦してみようと思います。
この種の所謂「歴史的建造物」も、街の様々な建物を眺めて写真を撮る“延長線上”という気がします。札幌で言えば、わざわざ中島公園に出向く豊平館のようなモノは、何となく敷居が高いかもしれませんが、時計台は「都心に何となく在るオブジェ」という程度に思ってカメラを向け得るような気もします…
ところで「日本三大がっかり名所」ですが…札幌の時計台の他に挙がるのはオランダ坂(長崎)(=居留地とか出島の関係を想起しますが、「長崎には幾らでも在る普通の坂道に過ぎない?」という感想を抱く方が非常に多いそうです…)とはりまや橋(高知)(=本来の橋は既に無く、「らしい物」が複製されていて、見落とす場合も在るらしいです…)らしいです。
長崎も高知も訪ねたことが在りますが、オランダ坂もはりまや橋も、何となく「スルー」でした…(笑)高知に至っては<はりまや橋>という電停が在って、そこを利用する機会まで在ったのでしたが…

写真を褒めていただいてありがとうございます!大変恐縮です…。

三大がっかり名所、オランダ坂とはりまや橋ですか…いずれもがっかりそうな感じですね…それはそれで見てみたい気もしますが笑

それにしても、時計台を撮るのは難しいですね…人を入れて撮るといいのかな、とか考えながら撮ってましたけど、実力不足を痛感します…

でもこれに懲りずに、今度は大自然撮影にも挑戦してみたいです!

レトロ×モノクロってそれだけでタイムスリップしたような感じになって印象的になりますね。放射状フロアの光いいですね!
北海道のランドマーク…宗谷岬!!

レトロな建物はあまり得意ではないんですけど、昔の写真みたいな印象にもなって面白いですよね!

宗谷岬…遠いなー…

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