北海道の短い夏。道東はさらに短い。
そろそろこの季節が終わってしまう気がしたので、少しだけ遠出をして、北海道の夏の夕暮れを撮影してきた。
やって来たのは美幌町。…よく知らない町だ。
よく知らない街の方がテンションが上がって、いい写真が撮れる気がする。
どんな時でも、どんな所でも、X100Fならば持っていける。気軽に撮影できる。
X100Fでの撮影作法と装備
OVFとEVFを切り替えられる「アドバンスド・ハイブリッドビューファインダー」を搭載するX100F。
ファインダーの設定については、OVFを常用…だったらかっこいいんだけど、残念ながら私はEVFを常用している。
撮影結果がそのまま反映されるEVFに慣れてしまうと、フィルム時代に遡ってわざわざパララックス(視差)のある素通しのガラス越しに構図を決める意味を感じない。
OVFにはOVFのいい所があるらしい(シャッターブラックアウトがない、周りの状況がわかりやすい等)けど、そういうのは別のカメラでやるので…。
それ以外の装備だと、少し前までは純正のフードを使用していたが、10センチ以上の厚みがあるため嵩張る。X100Fにはできるだけコンパクトでいてほしいので、最近は外している。素のままのX100Fが一番かっこいい。多分。
ストラップはUlyssesのレザーストラップ「クラシコ」のダークブラウン。新しいカメラを買うたびにここのカメラストラップが増えていくという恐ろしい儀式(1本1万円くらいする)がある。最近はM-P(Typ240)購入時に1本買っている。…まあ、もう買わないと思うけど。
ちなみに今回、撮影の後半にISOを3200に固定していることに気が付くという失態を犯している。ACROSで粒状感を出すために高感度に設定していることがあるが、そのままの設定で使用してしまった。反省。最近あまりこのカメラを使っていなかったことが仇になった。今後は継続的に使用していきたい。
ではここからは、美幌町で撮影した写真たちを紹介しつつ、X100Fやフィルムシミュレーションについて書いていこう。
「クラシッククローム」について
今回は、すべての写真を「クラシッククローム」のフィルムシミュレーションを使用して撮影した。
このフィルムシミュレーションについては、以前別の記事で解説したので説明はそちらに譲る。
クラシッククロームは、青空が独特で、印象的な色合いになる。
他のフィルムシミュレーションにはない、この「唯一無二の青」が好きで、モノクロの「ACROS」と並んで、このクラシッククロームを常用している。
なお、クラシッククロームが得意とするのは「ドキュメンタリー」フォトらしい。
そもそも事件を追っているわけでもないし、なにか社会問題をテーマにした活動をしているわけでもないので、そうそうドキュメンタリーな事象に出会うことはない。
曲解すると普段の生活こそ「ドキュメンタリー」だと言えなくもない気がするけど、それ言い出したらなんでもありだしなぁ。
…少し撮影した写真の話をすると、夕暮れの風景は、雲があった方が印象的になると思う。
今回はかなり雲が多かったので、我ながら少しドラマチックな空が撮れたと思う。
撮影マナーについて
「撮影マナー問題」は、定期的にTwitterやら雑誌やらで問題になる。
特に目立つのは電車の撮影と神社仏閣の撮影か。
私自身はやばい撮り鉄の人を見たことはない。
正直、電車や線路の撮影自体は健全な趣味ってことでいいんじゃないかと思う。
私も「線路の写真」は結構好きで、定期的に撮っていたりする。
長く続いていく線路に「旅」の雰囲気を感じるからかな。ワクワク感があるというか。
そんなわけで、電車にまつわるものの撮影にいろんな人が惹きつけられるのも分かる気がする。
…いや、一部の駅員や乗客に迷惑をかけるアホたちのことはわからんけども。
ちなみに、撮影マナーについて、私はあまり厳格な方ではないけど、一般的な社会のルールを逸脱しないよう気をつけている。
カメラを持った途端にイキリ出す生物がいることは理解しているし、それこそ美瑛とか京都とか、以前からかなり問題になっていたし。
今回の写真も、市有地に入るようなことはしていない(撮ることはある)。
北海道の閑散とした田舎道でも、できるだけ路上駐車はしていない。
いや、全くしないわけじゃないけども。
とにかくまあ、私は普通に気を使って楽しく写真撮ってるよ、というだけのことだ。
あんまり言うとあれはどうなんだこうなんだとギャーギャー言われそうだからもう言わないけど。
画角と構図
35mm判換算35mmという画角は「普通に道を歩いている時の視野に近い」と感じる。
とても自然な視野なので、構図の感覚が掴みやすいと思う。
実際、現場で構図を考えるときも、どのくらいの範囲が写るかが体感で分かるので考えやすい。
下のススキの写真も2秒かからず撮影できた。
私の中のベスト画角はきっと35mmなのだろう。
28mmや50mmも好きだけど、1本だけ選べ、と言われたら35mmにすると思う。
レンズマウントが増えるたび、35mmのレンズが増えていくのも、きっとそういう理由だ。
だから私は悪くない。いや悪い。
まとめ
そんなわけで、なんか適当に車を走らせていたらたどり着いた美幌町での撮影は終了した。
撮影の帰り道に、車のフロントに「虫爆弾」を大量に浴びるのはもはや夏の風物詩になりつつある。
でもいいんだ。車ってそういうもんだ。
X100Fでの撮影はいつも最高だ。
特に目的地を決めずに撮影する時なんかはかなり強力な手札になる。
気張って大型の機材を持ち歩かなくても、いい結果をコンスタントに出すことができる気がする。
このカメラは手放せないなぁ…。
今は後継機の「X100V」が絶賛発売中だぜ
道東生活には慣れましたでしょうか。
ライカ×50mmをメインになられて羨望しつつ、雄大な風景の北海道にはやや過重の気もしつつ感じます。50は人とか建築に向いている気が…
先日遅い夏休みで、北海道は旭川にお邪魔しましたが、CANONの24-105のうち、ほぼ35というユーティリティな画角で落ち着きました。富士フイルムもリコーもハイコンデジは良く考えたものです。
個人的に最後の水たまりがアクセントになっていて好きです。
北海道の大自然をあるがままに撮影しようとすると、確かに35mm以下の画角が使いやすいと感じますね。
ズミクロン50mmは街中での撮影とか、ピンポイントで撮りたい被写体がある時に使いたいです。
っていうか、街とか建物とか撮りたいですね…
ピンクの水たまりの写真、私もお気に入りです。ありがとうございます!