X100F
その前に「X100F」というカメラについておさらい。
2017年2月発売。
富士フイルムXシリーズの元祖「X100シリーズ」の4代目だ。
当時のフラッグシップ機「X-Pro2」「X-T2」及び「X-H1」と同等のセンサー・プロセッサーを持ち、OVF・EVF切り替えが可能なファインダーを搭載。
焦点距離23mm (フルサイズ換算35mm)のレンズを持つ、コンパクトカメラだ。
過去3モデルの弱点を潰して製作された、発売時点での「X100シリーズの集大成」という感じのカメラだった。
フジノンレンズ23mmF2
ここから本題。
X100Fに付いている「23mmF2」レンズについて。
正式名称がないようなので、レンズに記載されている文字を羅列すると
- FUJINON ASPHERICAL LENS
- SUPER EBC
- f=23mm 1:2
というレンズ。
なお、「SUPER EBC」とはレンズのコーティングのこと。
詳しい解説はめんど退屈だと思うので、以下、公式サイトからの引用。
- 6群8枚のレンズ構成。高性能な両面非球面レンズ(1枚)や高屈折ガラスの凸レンズを使用。クリアな画像をもたらす独自のコーティング技術で、収差が少ない画像、シャープな解像感、美しい色再現性など、高レベルな描写力を実現。
- 非沈胴式レンズのため、電源オン時の繰り出し動作がなく、素早く撮影をスタートできる。
- CMOSセンサーにとって充分な光量を確保できる開放値F2。さらに、最も用途の多いF4~5.6付近で最高の解像力を実現するように設計。
- 絞り羽根9枚を採用。開放絞りF2との組み合わせにより美しい円形のボケ味が得られます。
- 10cmまでのマクロ撮影が可能。迫力ある近接撮影が楽しめます。
- 3絞り相当のNDフィルターを内蔵。明るいシーンでも人物の背景をぼかした撮影や、流れる水を白い糸の束のようにとらえたやわらかな表現が可能です。
富士フイルム公式「FinePix X100発売時のニュースリリース」より
コンパクトでありながら開放絞りF2という明るさ。
そしてかなり寄れる。
スペックから読み取れるレンズの特徴はだいたいこんな感じだ。
特徴
実際に撮影してみると分かるのだが、このレンズはかなり写りに特徴がある。
その代表的なものが「開放絞り・近接撮影時の画像の緩さ」だろう。
上の引用で「収差が少ない画像」と書いてあるが、開放絞り・近接撮影時においては全く当てはまらない。
ソフトフォーカスフィルターでも付けたのか、と勘違いするレベルで緩くなることがある。
なんかオーラみたいのが出ている感じになる。
で、この「画像が緩くなる」というのは、光学的にはもちろん「欠点」である。
最近のレンズは開放絞りからシャープに写るものが多くなってきており、次回作のX100Vで採用される新レンズは近接撮影時も開放からシャープに写るように変更されているようだ(実際に試していないのであくまで情報だけで判断するなら)。
ただし、これまでのX100シリーズにおいては、この緩い描写が他にはない「個性」として認識されていたりする。
「個性」=チャームポイントと言い換えてもいい。
それは「このレンズで撮りたいからX100シリーズを使う」という動機になる。
このレンズはただ緩いだけではなく、絞ることでシャープな描写にもなる。
一粒で2度美味しい。
そんなレンズなのだ。
作例
それではここからはこの特徴的な描写を具体的に見ていこう。
「緩さ」を堪能していただくため、開放絞り・近接撮影多めの作例だ。
まとめ
何が言いたいのかというと、「X100〜X100F」のレンズが作り出す世界観は素晴らしい、ということ。
このレンズを使いこなせるようになるまでは、X100Fは手放せない…!(X100Vを買わない、とは言ってない)
そしてX100Vに採用される新レンズにも興味が尽きない。
今度はどんな個性を持ったレンズが採用されているのか。
近接からシャープに写るだけではなく、そのレンズにしか撮影できないような「個性」を持ったレンズだといいなぁ。
今度、一度触りに行ってみようかなぁ…
おまけ
1級フォトマスターになったんだぜ
X100Vが2020年2月に発売される。
今回は、晴れて型落ちモデルとなるX100Fと、最新機種では変更されてしまう予定の「フジノンレンズ23mmF2」Ⅰ型のおはなし。