さて、今回でX-T2のレビュー記事も最終回。
ここまで読んでくれた人には感謝しかない。
1.今回の失敗談
前回、「X-T2を初めて持ち出していきなり本番に持ち出したせいで残念なことが起きた」という話をした。
正解は「ISOダイヤルをよく確認しなかったせいで、ずっとISO6400になっていた。」である。
これは物理ダイヤルの弊害かもしれない。
これは何がマズイかという話をしよう。
通常、ISOというのは低ければ低いほど画質がいいと言われている。(下げすぎると逆によくないと言う話も聞くが。)
X-T2の最小ISO値は200で、最大が12800である。(拡張モードではもう少し幅がある。)
で、ISO6400というのは、上から4番目に高い値であり、一般的に画質劣化の許容範囲と言われているISO値1600〜3200を超えているのである。
モノクロ撮影だと逆に味になっていいこともある粒状感だが(実際、この撮影旅行の直前にはモノクロで撮影をしていた)、基本的には写真にいい影響はない。
いいことがあるとすれば「シャッタースピードが速くなる」という恩恵があること。
…どうりでレーシングマシン撮影が簡単に感じたはずだ。
気付かずに難易度VERY EASYでゲームをプレイしていたようなもんだ。
2.伊勢神宮へ
気を取り直して、伊勢神宮である。
東海地区旅行の2日目は打って変わって、落ち着いた環境下での撮影をしたいと思って訪れてみた。
正直、伊勢神宮の来歴とか撮影スポットとか全く調べないで行ったのだが。
皆さんご存知の方も多いかもしれないが、いちおうスポットの紹介を。
三重県伊勢市にあるこの「神宮」(正式名称)は、全ての神社の上位存在として君臨する「神社以上の何か」、だそうだ。
…正直よくわからない。
さて、撮影だ。
この日は天気が悪く、ほどなく雨が降ってきた。
こういう時にX-T2の防塵防滴性能は助かる。
…のだが、持参していた2本のレンズ(XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS、XF10-24mmF4 R OIS)がどちらも防塵防滴でなかったので、けっきょく内心穏やかではなかったが。
伊勢神宮での撮影中に、上記の「ISO6400事件」に気がついて、あわてて適切なISOに戻して撮影再開。
どうだろうか、X-T2が誇る素晴らしい画質が伝わっているだろうか?
このX-T2は、「X-Trans CMOSⅢ」とかいうとても素晴らしいセンサーを持っていて、「X-Processor Pro」とかいうすごく高性能のチップで演算しているおかけで「APS-Cサイズのセンサーながらとても素晴らしい解像感を示す…らしい。
実際は大伸ばしにして比べないと他社のセンサーとの差みたいなものはわからないと思うので、「なんかすごくいい感じのセンサー」くらいに覚えておいてもらえたらと思う。
カメラを買うときにはこういう「スペック」はまあ、大事じゃないとは言わないけど決定的な要素じゃないと思う。っていうか最近はそう思うようになった。
それなりの台数のカメラを買ってきて、数々の失敗を繰り返したぼくが改めて思うのは「見た目」とか「第一印象」とかで選んで全然オッケー、ということ。
結局そのカメラがいいかどうかなんて、ある程度使ってみないとわからないものだ。
僕がどんなに「これはいいカメラだよ」と勧めたとしても、X-T2やX-Pro2のデザインに通じる一貫性とか、フィルムシミュレーション「ACROS」の解説不要な深みとか、RICOH GRの持ち出しやすさや使いやすさとか、そういう「所有してみて初めてわかる良さ」みたいな数値化できないものはなかなか伝わらない。
所有してみて、使ってみて初めてわかることもある、と思う。(買ってダメだったら売ればいいし…)
3.おわりに 〜総評、みたいなもの〜
さて、ここまで4回にわたってX-T2のレビュー記事を書いてみた。
できるだけスペックとか数字とかは載せないで、所有感とか、失敗談とか交えて率直に書いてみたのだが、参考になっただろうか。
総評すると、X-T2は「Xシリーズでいちばん多用途に使える汎用性の高いカメラ」だ。
ここでは紹介していないが、4K動画も撮れちゃう。
Xシリーズのレンズ交換式カメラでどれを買おうか迷っていて、ある程度のお金を出せる人なら、迷わずこのモデルにしたほうがいい。
他の機種は結構尖った性能を持っているやつが多い(X-Pro2はレンジファインダー風でとっつきにくい、X-T20はタッチパネル搭載だが持ちづらい、X100Fは言わずもがな)ので、よっぽどこだわりがない限りは、これを買っとけばとりあえず5年は安泰だ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
(2020/7/12)現在は後継機種「X-T4」が発売中!
X-H1もおすすめ!
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