自分の中で、モノクロを再評価する流れが続いている。
今後はもう少しモノクロ編集に力を入れていこうと考えているが、今回は現時点での自分のモノクロ写真の編集方法と、モノクロ撮影をするにあたっての被写体選びについて書いていこうと思う。
モノクロ編集
私のモノクロ写真編集術は、基本的にかなり前に購入した「デジタルモノクロ撮影完全マスター」という本を参考にしている。
とはいえ、その本の中でも基本的な項目を参照して実践しているだけなので、特にハイレベルなことをしているわけではない。
私の編集方法が誰の参考になることは…たぶん無いだろうが、自分用の備忘録がわりに書き残しておこう。
濃度
まず最初に、適切な「濃度」を設定する。
なお、濃度とは、いわゆる「露出」のことである。
これが明るいと白く、暗いと黒くなる。
モノクロ写真は色がないので、露出の上下はグレーの濃度変化に置き換えられる、ということ。
濃度は「白を白く、黒を黒く」することを目標にしている(もちろん例外はあるが)。
白・黒の「最も明るい(暗い)部分=芯」を出すことが重要で、白がしっかりと白く、黒がしっかりと黒い「明暗のメリハリが効いた写真」を目指して編集する。
ちなみにデジタルカメラは基本的に、白飛びに弱く、黒つぶれに強い(ディテールが残っている)傾向があるとされている(はず)。
なので私は基本的に撮影時はアンダー目(マイナス露出)で撮影し、編集で調整するようにしている。
で、Lightroomの「露出補正スライダー」でいい感じにする(適当)。
なお、撮影時の露出については、「中央部重点測光」を使ったほうが露出の予測がつきやすくてよいとされている。画像全体の平均値を取る「マルチパターン測光」は、カメラが独自に判断した最適な露出を出してくれるが、結果の予想がつきにくいとのこと。
最近これを忘れていて、普通にマルチパターンを使っていたので、これからはオート露出で撮る場合は中央部重点測光にしよう。そうしよう。
調子
次に、「調子」を整える。
なお、調子は「コントラスト」とも呼ばれている。
画像内の「白部分から黒部分への変化の強弱」?のことだと認識している。
「トーンカーブの角度」と言い換えることもできる。
基本的にこれは全画像で一定にするものではなく、画像・被写体によって適切な調子を設定するものだと思う。
動物など柔らかい被写体・繊細な表現を狙う場合は軟調、金属などの硬質な被写体・荒々しい表現を狙いたい場合は硬調。
私はというと、基本的には硬調の写真が好みだ。
暗い部分は黒く潰れ、表現したい主役を浮かび上がらせる。
スポットライト効果により、主役が引き立つような、そんな写真を目指している。
…実際は主題がはっきりしない写真が多く、あまり実践できていないが、目指すところはそこ、ということで。
具体的にはトーンカーブ編集画面でS字にする。
白飛びするので、ハイライトの方はあまり上げないことが多い。
モノクロ写真の被写体
ここからは、私が好んで撮影する被写体について。
編集も大事だが、そもそも撮影した写真そのものの方が重要だ。
「カタチ」と「パターン」
モノのカタチ・パターン(模様)を撮影するのが好きだ。
直線・曲線で描くモノのカタチ、規則的に揃っているパターンは、モノクロ写真の被写体に適していると感じる。
例えば、冬のバス停に出現するタイヤ跡。
バス停ごとに同じようについている直線のタイヤ跡、カーブするときにつく曲線のタイヤ跡。
特に意味のある被写体ではないが、これに注目して撮影すると、また新しい視野を得ることができる。気がする。
円、線、グラデーションに注目して撮影するのも面白い。
色を省くことで強調される「カタチ」「質感」「光の強弱」そのものを撮る。
カラー写真でももちろん味わえるモノだと思うけど、モノクロ写真を撮る時はこの感覚が強くなるのを感じるのだ。
動物と静物
私は基本的に「動かないもの」を被写体にしていることが多い気がする。
…これはモノクロとは関係がないかもしれないけど。
動物より静物のほうが好きだ。
静物は襲ってこないし、文句も言わないし、私を恫喝してこないからな。
とてもいい。
その結果として撮影された写真が鑑賞者にとって面白いか面白くないか、作品として成立しているかどうかはまた別の話だ。
人物撮影はわかりやすく人の心を動かすから、見ていてとても面白いし。
…まあ、人の心は動かせなくとも、少なくとも撮影している当人はなんか楽しい気持ちになっているからよしとしよう。
モノクロを撮る場所
話がそれた。モノクロ写真の話だ。
私が好きなモノクロ写真は、以上のようにパターンとかグラデーションとかある程度抽象的なものだったりする。
なので、もしかしたら東京のような都会に行かずとも、我が街でもちゃんと探して撮影すれば、案外満足する結果が得られるのかもしれない。
…とはいえ、都会のほうが印象的なカタチ、パターンに出会える可能性は高い。だからやっぱり、都会はいい。
無いものねだりか。ただの愚痴だね。
まとめ
結局何が言いたいのかと言うと、「モノクロ写真はとても面白い」ということ。
実際「モノクロであること」に意味があることもあるし、無いこともあるけど、被写体の「カタチ」「質感」「グラデーション」に意識が集中することで面白い結果が得られる。
これからも撮り続けたいと思える、大好きな写真ジャンルの一つだ。
…あまり意識しすぎるとモノクロ専用カメラの買い増しが頭をチラつくのでこのくらいにしておこう。
要らねぇよ、Q2 Monochromなんて
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