東京駅。
東京の玄関にして、顔。
立川市からはなかなか遠い。(といっても、中央線1本で行けるので楽ではある)
今回は、ちょっと試したいことがあってはるばる出かけてきた。
今回の課題:フィルムシミュレーションのカスタム
今回試したかったのは、「自分の絵」を作ること。
早い話が、カメラ内RAW現像(のようなもの)だ。
本格的に現像をするなら、RAWファイルからLightroomでコツコツ作り上げるのが基本かもしれないが、富士フイルムのカメラには「フィルムシミュレーション」がある。
下手な現像をするよりも、すでに魅力的なプリセットがあるのだから、それをベースに自分の好みになるように微調整するのが近道ではないか、と考えたのだ。
まずはじめに押さえておきたいのは、最も使用頻度の高い「ACROS」「PROVIA」。
…というわけで、この2つのフィルムシミュレーションのカスタムデータを作成してみた。
ACROS CUSTOM1(建築スナップに最適化したカスタム)
ダイナミックレンジ | 200(撮影時は100) |
ホワイトバランス | 晴れ(R:-2 B:2) |
ハイライトトーン | 0 |
シャドウトーン | 0 |
カラー | 0 |
シャープネス | +3 |
ノイズリダクション | 0 |
狙いは、
- ACROSの特色(豊かなトーン、フィルムライクな粒状感)はできるだけ生かす方向性。
- 建築物の「線」を繊細に表現するためにシャープネスを上げている。
- 明暗差があっても白飛び・黒つぶれを防ぐためにダイナミックレンジを上げる(これは撮影時には気づかなかった…)。
こんなところだ。
ACROS CUSTOM2(GRの「ハイコントラスト白黒」をイメージしたカスタム)
ダイナミックレンジ | 100 |
ホワイトバランス | 晴れ(R:-2 B:2) |
ハイライトトーン | +4 |
シャドウトーン | +4 |
カラー | 0 |
シャープネス | -2 |
ノイズリダクション | 0 |
特徴は、
- RICOH GRの「ハイコントラスト白黒(かなり明暗差が激しい白黒。画像全体が荒れている表現)」をイメージ。
- ストリートスナップに親和性が高いカスタム。
- 基本的にはISO感度を高めにして撮影するといい感じになりそう(今回の撮影ではあまり意識できなかった…)。
みたいな感じだ。
PROVIA CUSTOM(ホワイトバランス「晴れ」をベースに「ダカフェ設定」を意識したカスタム)
ダイナミックレンジ | 100 |
ホワイトバランス | 晴れ(R:-2 B:2) |
ハイライトトーン | +2 |
シャドウトーン | -1 |
カラー | +2 |
シャープネス | 0 |
ノイズリダクション | 0 |
これは、
- かつてEOS 5D Mark Ⅲで設定していた「ダカフェ設定」を再現しようとした。
- プリセットホワイトバランス「晴れ」をベースに、少しだけホワイトバランスを青に振っている。
- 全然再現できていないので、これは精進が必要…。
って感じだ。
まだまだ調整中だが、今回は実験。
この日は、3つの設定を使い分けながら撮影していった。
東京駅
東京駅については、説明の必要はないだろう。
東京の玄関口にして、随一の撮影スポット。
定番の、丸の内口を撮影。
ACROS CUSTOM1
建物を繊細に記録するためのカスタム設定。
ダイナミックレンジを上げるのを忘れたので、これは次回までの宿題にしよう。
東京駅は人気の観光スポット。
まだ朝方だったのだが、すでに外国人の方も多かった。
…もう少しシャッター速度を下げて、人物に動きをつけてもよかったかもしれない。
シャッター速度を下げすぎると人が消えてしまうので、加減が難しいが。
質感を描写する撮影方法は、もっと腕を磨かなければならない。
素敵なモチーフだったのだが、魅力が伝えきれていない気がする。
東京駅の周りはビル街。
ひときわ背の高いビルが2棟立っている。
…丸ビルだったっけ?
ACROS CUSTOM2
…なし。
撮ってなかった…。
PROVIA CUSTOM
この日は、aniaryのボストンバッグにクッションを入れて持ち運びした。
しばらくはこのスタイルが定番になりそうだ。
KITTE①〜午前9時頃〜
ひとしきり東京駅を撮影し(暑すぎて退散したのはヒミツだ)、次の目的地であるKITTEへ向かった。
…といっても、東京駅の隣なんだけどね。
さっそく中に入る(暑いので)。
さて、まだ朝早いので人も少ない。
理想的な状態で、撮影がはかどった。
ACROS CUSTOM1
この辺で、ACROS CUSTOM2を使っていないことに気づく。
ACROS CUSTOM2
光と影を強調する、ハイコントラスト。
人物をうまく構図に入れることで、雰囲気が良くなる…気がする。
もっとごみごみした街中(渋谷・新宿あたり)で使ってみるのもおもしろいかもしれない。
朝の光と屋上のガラス天井の格子模様が各階の廊下の壁に反射して、幻想的な模様を作り出していた。
いっぽう柱があるサイドの店は、正方形に分断されていい感じにミニマルだ。
その境界線付近。
三角形の、面白い建物内部だ。
KITTEは面白い。
KITTE②〜11時頃〜
KITTEの2階以上のフロアがオープンするのは11時頃だったので、少し他の場所に寄ってから戻ってきた。(「他の場所」については次回…)
さて、エスカレーターで3階へ。
他のお客さんが最上階の展望スペース(東京駅を一望できる)を目指すなか、ちょうど中間地点であるこのフロアから、KITTE全景を撮影する。
ACROS CUSTOM1
ACROS CUSTOM2
こちらはハイコントラストバージョン。
ちょっとディティールがわかりにくい…?
PROVIA CUSTOM
少し青すぎる気もするが、これはこれでちょっと未来感が…ある?かも?
全体的に暗くしすぎたかもしれない。
三者三様の写真になった。
…なかなかいいかもしれない。
それにしても、KITTEはかっこいい。
なんでこんなかっこいい建物を作れるんだろう。
…さいごに、この日使用したレンズの簡単な感想を。
XF16-55mmF2.8 R LM WR
今回、前半はほとんどこのレンズで撮影した。
X-H1にジャストフィットするサイズ感のせいか、あまり重さを感じなかった。
まあ、フルサイズの大三元から比べるとだいぶ軽いので当然かもしれないが。
(XF16-55mmF2.8 R LM WRは655g。以前所有していたニコンのAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8Gは900g。)
描写はかなり安定していた。
安定しすぎていて、ほとんど意識しなかったほどだ。
本当にいい道具というのは、使っているときに意識させない(被写体に集中できる)、ということだろうか。
なお、建築スナップを撮るときは基本的にF値は絞っている(F8〜F11)ので、F2.8の明るさを生かす場面はあまりなかった。
でも必要なときにはボケを作れるという安心感はいいものだ。
…こんなに大三元を褒める日が来るとは思わなかったが。
ただ、後述するXF10-24mmF4 R OISにも言えることだが、レンズフードの固定機構(カチッと音がして固定されるやつ)は必要だと思う。
レンズフードがカメラバッグ内で勝手に回転することがある。ちょっとでもずれると場合によって「ケラレ(画像にレンズフードが映り込む)」が発生する。
これ、プロカメラマンから意見とか出ていないのだろうか…
XF10-24mmF4 R OIS
途中からこのレンズに交換して撮影した。
建物内部はこのレンズの超広角域がとても重宝した。
後半のKITTEの写真も、標準ズームではあそこまで広範囲に写せない。
後ろに下がれない室内では広角域は絶対に必要。
つまり、建物スナップにおいて、この画角のレンズはマストアイテムだ。
買っておいてよかった…
まとめ
そんなこんなで東京駅とKITTEの撮影だった。
どちらも歯ごたえのある被写体だが、暑すぎて東京駅をあまり撮影しなかったのが少し心残りだ。
フィルムシミュレーションのカスタムという、新しいモチベーションもよかった。
今後もこの辺は研究を重ねていこう。
さて、この日は東京駅エリアの建築物をもう少し撮り歩いた。
…次回に続く。
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