写真趣味の楽しみかた
始めてデジカメを買った時から、ぼくは撮影した写真データをほぼ全部パソコンに保存している。
街中で、旅行先で、大好きなカメラで撮影した写真たち。
今日の時点で、パソコンのLightroom CCのカタログに保存されている写真の枚数は56808枚。
実際にはほとんどの写真を「RAW同時保存(JPEGファイルとRAWファイルの2種類で保存)」をして約2倍になっているので、RAWデータ分の枚数を除くと26384枚。
RAWでしか保存していない写真もあるので、本当はもう少し多いか。
(Lightroom Classic CCを使うと、こういう集計が一瞬でできる。Lightroomは編集ソフトとしてだけじゃなく、写真管理ソフトとしても最高に優秀なのでおすすめだ。)
写真を始めてから7年以上経過しているので、この枚数はもしかしたら少なめなのかもしれない。
それでもぼくにとってはこの7年間を(だいたいひとりで)生きてきた証明みたいなものになっている。
で、たまにそれらをぼーっと眺めたりしていると、
「ああ、あのときは仕事が大変で、息抜きに山に行ったなー」
とか
「あの街で食べた夕飯はおいしかったなー」
とか、過去の記憶が蘇ってきて楽しいものだ。
…ただ楽しいだけの趣味なら、そういう楽しみ方はぜんぜんアリだ。
でも、最近それでは満足できなくなってきた。
撮影技術と「いい写真」
具体的には「いい写真を撮りたい」と思うようになった。
ナショナルジオグラフィックの「DAILY DOZEN」に選ばれるような素晴らしい写真。
あるいは500pxで90Pulse越えするような写真。
東京カメラ部で取り上げられるような写真。
いつものように漫然と撮影していても、こういう写真はきっと撮れない。
奇跡的に撮れたとしても続かない。
確かな「撮影技術」と、撮影前にしっかりとした「撮影イメージ」があること、そして非凡な「センス」。
これらがあって初めて、「いい写真を撮れる」人になれるんじゃないかと思う。
なので、「いい写真を撮れる人」になりたいなら、これらのスキルを育てていかなければいけない。
撮影技術
撮影技術を学ぶには、オンラインサロンに入るのがいいと思う。
実際、ぼくは最近まで写真のオンラインサロン「ケント白石の科学的写真術講座」に入会していた。
(一身上の都合により退会してしまった。機会があればまた入会したい。)
やはり客観的に作品を見てもらえて、問題点や改善点を指摘してもらえるというのはありがたいものだ。
サロンはちょっと敷居が高いと感じるなら、テキストを購入して勉強する方法もある。
おすすめなのはナショナルジオグラフィックが発売している「プロの撮り方」シリーズ。
なかでもまずは「構図を極める」がおすすめ。
ぼくも持っている。
…まだまだすべてを理解して実践できていないし、最後まで読めてもいないけど。
なお、この本の中で
「ボケた背景にこそ気を配るべき」
「3分割法は効果的」
という教えがあって、実践しているみると「なるほど!」となったので、もっとしっかり読みこんで自分のものにしていこうと思っている。
撮影イメージ
これも上述のオンラインサロンで繰り返し指導されたことだが、撮影前に「何を撮りたいのか」「どういうふうに撮りたいのか」というイメージを持つ必要がある。
これはいまだにできていない。
「なんかブログのネタになりそうだからあの街に行って撮影しよう」
「モノクロで撮影したらなんとなくカッコよくなるだろう」
「このカメラのあの機能を使ってみたいからあれを撮りに行こう」
みたいなことをいまだにしている。
ブログのネタはまあ、たまにはいい。
でも「困った時のモノクロ」とか「カメラの機能をお試し」とか、イメージ以外のものが先に立っているようでは狙って「いい写真」は作れないと思う。
なので、写真を撮る前に、まず「自分が何を表現したいのか」から写真を考えてみよう。
これを本当に実践しよう。
…具体的には今月中に確立しよう。
余談だが、この考え方は、「どういう機材が自分に必要なのか」を考えるときにも重要になってくる。
しっかりと自分の表現が固まっていれば、余計な、自分の表現に必要のない機材に目を奪われたりはしない。
逆に「機能」や「機材」から考えて写真を撮っていると、結果的には際限なく新しいカメラやレンズ、周辺機器が欲しくなる。
これは絶対に欲しくなる。…自分にとって必要ないものでも。
だって、写真趣味の目的が「新しい機材を買って試しに撮る」ことになっているんだから。
ぼくがカメラ機材を際限なく増やしてしまう原因はこういうところにあると思う。
だからもうやめよう。
センス
センス。
これは学んでどうにかなるのか、という問題はある。
だってセンスって、生まれ持ったものじゃないか。
僕もずっとそう思ってきた。
センスは後天的に作れない。
…でも少なくとも「真似る」ことはできる。
どういうことかというと、できるだけ多くの写真を見る。
具体的には、好きな作家の写真集を買ってきて読む。
または近場の写真展に行って、大きく引き伸ばされた写真を鑑賞する。
ナショジオDAILY DOZENや500px、Instagramの写真を見るのもいい。
とにかく「いい写真」を見ることを意識的に繰り返して、その「いい」と思った写真を「パクる」のだ。
その写真を「いい」と思った、ということは、その写真はきっと自分の理想の「撮影イメージ」に近いということ。
そういう写真の構図や色使いを繰り返し「パクる」ことで、自分がそういう写真を「実際に撮る」「編集して作る」ことに慣れていく。
それを続けることで、結果的に他の作品を意識せずに、自分の写真を作り出せるようになれば、もうそれは立派な「自分の写真」なんじゃないか、と思っている。
始まりがパクリだったとしても。
実践
とはいえ、だらだらとこういうことを書いているだけでは話が前に進んでいかない。
やることが決まったら、実践しなければならない。
というわけで、まずは「写真作品」を作ろうと思う。
自分にとっての「いい写真」を表現して、人に見せるための「作品」。
そのためには、必然的に撮影前にいろいろなことを考えなければならない。
- メインテーマは?
- ジャンルは?
- カラー?モノクロ?
- 撮影した写真をどうするのか?
こうなると、普段のように「ただ気になる街に出かけて、写真を撮ってから買い物して帰ってくる」というスタンスではダメだ。
今まで行ったことのある場所のなかから、作品に仕上げたい景色、雰囲気などを事前にひねり出して、「こういう写真を撮ろう」と目標を決めてから出かけなければ。
- 何を
- どこで
- いつ
- どのように
- 誰に向けて
撮影するか。
こういうことを意識して撮影に臨んでみよう。
機材
で、最後に機材だ。
上記のプロセスで決まった方針に沿った機材を選んで持っていく。
もし「ストリートスナップ」を題材に作品を作るつもりなら、「街中で目立たないカメラ」という要素も重要になる。
自然な街並み、自然な往来を撮るなら、カメラを意識されるのは避けたい。
そういうときはGRかX100F、またはX-Pro2がいい。
これらのカメラはそれぞれ撮影できる画角が違うので、それに応じて選ぶといいだろう。
目的によっては大型の一眼レフでもいい(かえって隠し撮りを怪しまれない!)が、体力と気力が必要になるかもしれない。
まとめ
そんなわけで、まずは現在開催されている以下の写真コンテストに応募してみようと思う。
- 第4回「ファーレ立川アート写真コンテスト」〜2018年6月29日
- 2019年 京王グループカレンダー『京王線・井の頭線沿線の風景』フォトコンテスト 〜2018年7月23日
- Sony World Photography Awards – Open competition 〜2019年1月4日〜13:00 GMT
それと、ナショナルジオグラフィックのYOUR SHOTに写真を投稿してみよう。
今回なぜこういう記事を書いたのかというと、いつも「出そうかなーでも作品なんてめんどくさいしなー」みたいな感じで行動してこなかったことの反省と、「ブログで書いちゃったからもうやるしかないよね」という覚悟を決めるためだ。
まだまだ撮影技術が伴っているとは言えないが、面倒臭がらずにまずはチャレンジしてみよう。
腕なんて後から付いてくるさ。たぶん。
同じような境遇で作品とはなにかわからなく行き詰まっていました。
この記事を読んでいて再確認と勇気をいただきました。
はやとさん、コメントありがとうございました!
この記事で書いた内容、久しぶりに読み返してみると、「もっと頑張らないとなー、まだまだできてないなー」という気持ちになってきます。
僕はまだまだコンテストでは箸にも棒にもかからない状態ですけど、作品を意識して写真を撮っていきたいと思います!
自分の記事が勇気を与えられたのだとしたらとても嬉しいです!