前回に引き続き、ニコンを手放した理由について。
前回の記事はこちらから。
では、ぼくがニコンを手放した2つ目の理由のお話しをしよう。
2つめの理由。「大きい。重い。」
RICOH IMAGING COMPANY, LTD. GR (GR LENS, 18.3mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO1100)
ミもフタもない話だけど、フルサイズ一眼は大きい。
「大きい=悪」というわけではない。どちらかといえば、カメラの大きさに付随しておこる「大きさの連鎖」に悩まされた。
何が連鎖するのか。
まず、フルサイズ一眼は本体が大きい。
それに対応しているレンズも大きくなる。(これはセンサーサイズの大きさにも起因しているが)
本体もレンズも大きいから、それを持って行くとき、収納するためのバッグが必然的に大きくなる。
まず、これが苦痛だった。
バッグを大きくしないといけない、というだけで、ファッションの選択肢はかなり狭まる。
例えば、フルサイズ一眼と大三元レンズ3本、スピードライト、三脚。この装備で旅行に行くとする。
その場合、バッグは「大型のリュック」か「大型のショルダーバッグ」か、「キャリーバッグ」などにならざるをえない。
それに洋服を合わせる、という発想になるので、洋服選びが楽しくない。
ぼくはカメラ用のリュックを持っている。できるだけダサくならないようにデザインが優れたものを選んだつもりだが、それでも街中で普通の洋服と合わせて使うとそれはもう違和感バリバリだ。体の大きさに対して、バッグがでかすぎるのだ。
最近はシャツスタイルが多いこともあって、ゴツ目のリュックはかなり合わせにくい。
リュック自体のデザインも、カメラリュックはアウトドア・ストリートテイストの製品が多くて、少しおとなし目の格好に合わせるのは至難の技である。
こうして、機材を持ち運ぶたびに、不満が蓄積されていった。
それともうひとつ、「重い」。
これはもうほんとうに重い。具体的には肩が外れそうになる。一例を挙げよう。
今年の3月、ニコンの大三元がそろった頃に、広島へ撮影旅行に出かけた。
その時の装備は
D810(980g)
AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED(970g)
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED(900g)
AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VRⅡ(1,540g)
GITZO トラベラー三脚1型4段(1,450g)
だった。これらの機材だけで、合計4,860g。5kgくらい。
この重量だけで、正直、旅行に行くには致命的に重い。
でもそれだけじゃない。泊まりで行くので、替えの服やら下着やら洗面用具やら、もろもろ持って行くことになる。
結局この時は、カメラリュックと三脚ケースと、もう一つキャリーバッグを持って行った。それはもう、旅行中は邪魔で仕方がない。
目的地に着く→コインロッカーを探して機材以外のモノを入れる→出発→撮影して回る→コインロッカーへ戻る→移動
この繰り返し。
結局どうなったかというと、たいした写真も撮れずに2泊3日の予定を切り上げて、2日目の夜に帰宅することになった。
体力とイライラの限界だった。
NIKON D810 (AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED, 27mm, f/2.8, 1/6400 sec, ISO64)
それがどんなに優れた機材でも、持ち運べなければ意味がない。持ち運べても、撮影する体力が残ってなければ意味がない。
ぼくのような虚弱体質には、ニコンのシステムはいろいろと「荷が重すぎた。」
これがニコンを手放した、ふたつめの理由。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事の続きはこちら↓
コメントを残す