写真は楽しい。カメラは楽しい。
でも、勘違いしてはいけない。
カメラは所詮カメラ。
ライカだろうがフルサイズだろうが同じだ。
どんなにいいカメラを買ったとしても、素晴らしい性能だったとしても、それは結局「カメラ」だ。
出来ることといったら写真を撮ることだけだ。
(ムービー?なにそれ)
そのカメラにあなたはいくら金をかけられるか?…命よりも大事な金を。
あなたは普段、どんな写真を撮ってますか?
その写真、あなたが機材にかけた金額に見合ったものですか?
…ところで2年以上使い続けている機材はありますか?
盛り上がってまいりました
…というわけで、
前回の記事からの続き。カメラの整理の話だ。
なぜ続きを書いているのか
前回の記事を書いてから、機材を減らすシミュレーションをいくつも立てているけど、なかなかまとまらないのだ。
何を残して、何を処分するかが決まらない、決められない。
きっとこれからの写真趣味に対するスタンスが定まっていないからこんなことになるのだ。
今回の記事は、カメラを整理するために、そんな自分を追い詰めて洗脳するためのものだ。
つまり、優柔不断な自分に対して言っている。
以下の文章は、そんな自分に対する戒めと、機材を手放さざるを得ないように誘導するために、けっこう過激な表現を使っている。
間違っても「自分のことを言われている」とか勘違いして噛み付いてこないでほしい。
そこはほんとお願いします。
おまえの写真はほんとうに「趣味」なのか
「趣味なら本気で」…?
「趣味なら本気で。」
たしかキヤノンEOS 60DのCMで、渡辺謙がかっこよく言っていたセリフだ。
そう、趣味なら本気で臨むのがいい。
趣味は大事だ。
趣味のない人生なんてなんの希望もない。
…だから多少いい機材を買っても許される。
趣味に本気で取り組むんだから。
一理ある。
…まあ、それがほんとうに「趣味」と呼べるだけのものなら、だが。
「ただ漫然と撮影している行為」は趣味と呼べるのか?
- おまえが撮る写真は、ほんとうに趣味と呼べるだけの完成度なのか?
- みんなと同じ写真を撮っているだけじゃないのか?
その写真、撮る必要ある?
写真なんて今時スマホがあれば誰でも撮れる。
例えば旅行に行ったとする。
有名な観光スポットには観光客が大勢いて、カメラやスマホを構えている。
(スマホが普及してからはその人数が圧倒的に増えた。
なにせ全員が割と高性能なカメラを持っているのと同じ状態だからだ。)
写真を撮っている人だかりを見ると、人は(私は)急に写真が撮りたくなるようだ。
カメラを持ってるんだから撮らないと損だ!とか思っちゃうわけだ。
で、みんなと同じところからパシャパシャ撮ってるわけだけど。
そんなみんなと同じ写真を撮ってどうする。
絵葉書にでもするんだろうか。
それならプロが撮影した絵葉書買ったほうがよくないか…?
特に春の桜、秋の紅葉のシーズンに、アホみたいな人混みの中、みんな撮ってるものと同じものを、同じ角度から撮影してどうするんだ、と。
ただの苦行だ。マゾなのか。
で、そういう「観光スポットで撮りました」みたいな写真を後から見返したことはないし、自分だけの価値がある表現の写真が撮れたこともない。
世の中には自分よりもよっぽど写真が上手い人がいっぱいいて、有名な撮影スポットというのは大抵そういう人たちが撮影している。
…自分が撮るよりも、よっぽど最高の写真を。
その撮影スポットからの写真は、なんのために撮ってるの?まだ観光スポットで消耗してr
- そのありきたりな写真は、何のために撮っているのか?
機材が発するメッセージ
冷静さを失ってきたので次の話題へ行こう。
機材が増えてくると、使用頻度の高くない防湿庫に封印している機材たちから、無言の圧力がかかる。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS「せっかくオレを持ってるんだから鳥とか撮ろうぜ」
XF8-16mmF2.8 R LM WR「いや、建物だけじゃなくて、星とか撮ろうぜ」
XF60mmF2.4 R Macro「虫とか小物とか撮ろうぜ」
XF23mmF1.4 R 「X-Pro2でストリートスナップしに行こうぜ」
GR「森山大道」
ほんとうに必要な機材に限定していないからこういうことになる。
機材は、それが必要なシチュエーションから逆算して、ほんとうに必要なものだけを揃えるべきだ。
それと、自分の腕に見合っていないハイスペックな機材を手にすることによる弊害もある。
自分よりもスペックの低い機材を使っている人よりも、自分が優れていると錯覚する。
これはほんとうに恥ずかしい。
恥ずかしいけれど、全くそんなことは思わない、と断言できない自分が嫌になる。
…結局、「ふさわしくない場所で、不必要に度が過ぎた機材を振り回して撮影する」ことに違和感を覚えはじめている、ということ。
これはストリートフォトでもネイチャーフォトでも同じこと。
プロでもなんでもない私は、分をわきまえる必要があるのではないか。
- その機材はお前のレベルにふさわしいものか?
- おまえごときがその機材を使ってて恥ずかしくないか?
なぜ機材が減らないのか
いい感じにマインドコントロールされてきたところで、ここからが本題。
なぜ機材が減らないのか、について考えてみよう。
防湿庫からレンズが生えてくる
防湿庫。
便利なアイテムだ。
これがあれば機材がカビる心配をしなくてもいいし、機材を整然と保管しておける。
だが、それが良くない。
あるレビュアーがこんなことを書いていた。
「防湿庫はワンサイズ大きめのものを買わないと、すぐにいっぱいになって後悔する」と。
それを真に受けて、少し大きめの防湿庫を買った。
80リットルで十二分だったのに、120リットルのやつを買った。これがまずかった。
これは明確なミスチョイスだ。
防湿庫をワンサイズ大きくすると、その容量までは機材を増やしてもいいことになる、のだ。
結果的に防湿庫いっぱいの、ほとんどが必要のない機材たちがいつの間にか増えていく。
だって、保管できるスペースがあるんだから。まだまだいける。
つまり。
おまえがするべきことは「ワンサイズ大きい防湿庫を買うこと」ではなかった。
「必要な機材がちょうど収まる保管場所を確保すること」だった。
80リットル未満の小型の防湿庫も販売されているがコストパフォーマンスが悪いし、かといって80リットル以上の容量なんて結局は自分の身に余る。
つまり結論を言うと、カメラの保管はドライボックスで十分だ。
そこからはみ出すような機材はそもそも必要ないのだ。
- 防湿庫を捨てて、ドライボックスを買おう。
マウントからレンズが生えてくる
複数のメーカーの機材を持つ。
これは最悪だ。
フルサイズはニコン(キヤノン)、APS-Cは富士フイルム。
最終的にはPENTAXのQマウントも同時に持っていたことがある。
今にして思えば正気の沙汰とは思えない。
マウントごとに標準単焦点レンズと標準ズームレンズを持っていた。
…なんの意味があるんだろう。
人はマウントがあると、そこにレンズを生やさずにはいられない。
そんな悲しい生き物なのだ。
- レンズを生やすべきマウントは1つでいい。
- なんならなくてもいい。
Twitterによる自己正当化
Twitterで見たことを、現実に起きている、自分に関係のあることだと思ってはいけない。
あれはフィクションだ。
景気のいいカメラの買い替え話。
ラから始まるカメラの購入報告。
あの人が買ったんだから、自分も…。
そうじゃない。
購入報告自体は事実かもしれないけど、おまえとは関係がない。
そもそも買い換えた動機も経緯も知らないし、その人がいくら稼いでいる人間なのかも不透明なうえ、最悪、本当に買ったのかも謎だ。
買ったとしても、直後に売り抜けているかもしれない。
穿った見方をすれば、借り物を買ったと偽っているだけかも。
そんなのは本人にしかわからない。
そしてそこにどれだけいいねが付いていたとしても、それはその行為が「正しい」という証明ではない。
判断は自分でするのだ。
だからTwitterは、現実であって、フィクションなのだ。
Twitterの購入報告を、自分が機材を増やしてもいい、という言い訳に使わないこと。
- 他人のツイートとおまえの人生には何の関係もない。
さあ、機材減らそう
どうだろう。そろそろ機材を減らしたくなってきただろうか。
じゃあ具体的にどう減らすのか…
それはまた次回に。(結局決まらない)
こんにちは
2年以上使い続けているカメラは
私の場合はX100Fぐらいかもしれませんね
カビ対策は乾燥剤のみで
今は3本のレンズを使い回すようにしています
ただYMさんのように
色々な機材をレビューをしていただけると参考になりますよ(^ ^)
kurosioさん、コメントありがとうございます!
2年以上使っている機材、私はX-Pro2だけですね…しかも使用頻度がだいぶ下がってる気がします。
機材整理の真っ最中だけど、機材レビューは続けたい…というジレンマにも悩まされてます。
減らしたいけど減らしたくない、みたいな…
また混乱してきました!!笑
YMさん、初めまして、Nobと申します。
Blogいつも楽しく読ませて頂いております。しかし、、、世の中に同じような事をしている人がいる事を知って安心したと言うか、、、なんと言うか、、、複雑な心境でございます。
私もキャノンEOS 1Dで本格的なデジカメを始めて、1Ds Mk2へ行き、キャノン大三元、サンニッパまで揃えて2年ほど経った時、本当にこれが必要かと疑問を持ち、全て売却、GRD4で暫く過ごすもやはり1眼レフが恋しくなりD700でニコンに復帰(フィルム時代はニコンでした)、しかし重さに耐え切れず、新発売(当時)のオリンパスOMD EM1でマイクロフォーサーズに移行したものの、撮った写真の色にどうしても馴染めず、X-E2でFUJIの世界へ。
ボディはその後、X100S、X-T1、X100T、X-PRO2、X100F(2回)、X-T2、X-E3、X-H1、X-T3を購入、いま手元にあるのはX100FとX-H1、X-T3の3台。
レンズも18-55(2回)、35/1.4(2回)、27/2.8、18/2、16-55(2回)、56/1.2(2回)、14/2.8、10-24(2回)、23/1.4、23/2(2回)、35/2、55-200、55-140、100-400、16/1.4(2回)、90/2 今残っているのは、単焦点は16/1.4、23/2、35/1.4、56/1.2、ズームは10-24、16-55、55-140となっております。
まぁなんとも無駄というか、バカな事を繰り返したと自分でも呆れる始末、特にレンズは一旦売ってまた買ったレンズのなんと多い事か、、、ズームで十分だ、、、いややっぱり単焦点だ、、を繰り返した結果です。
レンズは、、、もうこれで落ち着けると思います、、、ボディも今の3台で撮りたい写真は全て撮れるのですが、、、X-H2やX-PRO3なんかが出てきたら、、、また病気が出そうです、、
YMさんの断捨離の結果、、、興味があります(長文失礼しました)
Nobさん、コメントありがとうございます!
いやー同じ悩みを持ってる人がいて、とても心強い(?)です!キヤノン、ニコン、オリンパス、富士フイルム。ほとんど被ってます!びっくりです。
それにしてもNobさんのレンズ遍歴、凄い!とてもかなわないですよ〜
記事内で色々と語っているところではあるんですけど、一度手放したレンズを買い戻す、ということを一回でもやっているとそれが選択肢に入ってくるのが恐怖ですよね…。今回「断捨離だ!」と言って手放した機材をまた手に入れるという最悪の結果を、どうすれば避けられるのか…
その辺をきちんと整理してから手放さないと機材は減らず、更新されるだけなのかもしれません。
とはいえ、近いうちに結果を出したい…頑張ります!