7月の写真だけど8月号でいいよね
Leicaの2世代前のM型レンジファインダーカメラ「M-P(Typ240)」で撮る、2023年。
2023年8月号は、7月下旬に札幌へ小旅行したときに撮影した写真をメインに紹介する。
その流れで「風景写真と撮影機材」について改めて考えてみた。
なお、創刊号となった前月の記事はこちら。
M-P(Typ240)で撮る北海道の風景
「ロードムービー」
夜明けとともに街を出て、西へ向かって走る。
札幌までの距離、約300km、途中下車(降車?)の旅である。
この小旅行、どんな写真を撮ろうか。
…考えた結果、今回は「ロードムービー」をテーマに撮影することにした。
旅行の道中を実況的に撮影し、見る人に旅行を追体験してもらう。
その時の臨場感や感じたことを写真で伝える。
まるで自分がその場にいて、旅行しているかのように。
まるで「ロードムービー」を観ているような感覚にできれば成功。
そんな試みをしよう、と。
結局、ロードムービーに重要な「ストーリー性」「連続性」が表現できなかったこともあり、その目論見に関しては完全に失敗したわけだが。
でも道中、気になったら車を停めて撮影する、ということを意識的に行なったことで、今までは素通りしていた景色を写真に残すことができた。
上の写真は道中の道端に広がっていた畑を撮影したもの。
朝日が作り出す独特な色が美しいと感じる。
「ライカの色」かどうかは分からないが、印象的で好きな色だ。
「解像感」と写真
ロードムービーは失敗したが、その後も気になる風景を見つけたり、景観の優れたビュースポットに立ち寄ったりして、M-P(Typ240)での風景撮影に挑戦した。
そうして撮影した一連の風景写真を振り返り、考える。
M-P(Typ240)のセンサーは旧型2400万画素。
画像処理エンジンも型落ち。2023年の写真としてはキツイのでは…?と。
しかしどうだろう。
撮影した写真の仕上がりを見る限り、私にとってはモニターで鑑賞する分には全く不満がない出来だった。
(※ただし、夜間や明け方の撮影は高感度耐性が低いためノイズとの戦いとなる。でも、今回の明け方の風景写真のノイズ、私は好き。)
例えば、SONY α7R Ⅲは高画素センサーを搭載した、風景写真に適した優秀なカメラだ。
実際、撮影した写真を拡大表示してみると驚くほど情報が精細に記録されていて、非常に気持ちいい。
M-P(Typ240) と比較すると、「情報量」という面で、圧倒的に品質は上だろう。
でも、その「圧倒的な品質」は自分の「趣味写真」に必要なのか?
そもそも私はあまりトリミングして写真を使用することがないので、トリミング耐性はあまり重要でない。
それに高画素カメラの画像データのファイルサイズは圧倒的に巨大になり、取り回しにくくなる。
結局、私には高画素センサーは必要ないのかもしれない(もちろん、高画素センサーを否定するものではない)。
いやーCX-30かっこい
耐候性問題
ただし、このカメラが風景撮影に適しているか、と言えばそれはノーだ。
M-P(Typ240) を雨天に持ち出して雨ざらしで写真を撮るのはやっぱり怖い。
機材が高価なこともあるが、Leica Mレンズにはそもそも防塵防滴性能はない。
M-P(Typ240)自身も多少の耐候性はあるにせよ、その信頼性は高くない。
これは風景撮影に使うには致命的な欠点だろう。
嵐の中や吹雪の中でこのカメラを構えるのはやっぱり気が引ける。
…いや、どんなカメラでも気が引けるんだけど、このカメラは格別気が引けるし、気を使う。
しかもマニュアルフォーカス(両手操作)なので傘をさしながらの運用はほぼ不可能。
これがだいぶ厄介だ。雨の日はいい写真が撮れるチャンスが増えるのでなおさら。
このあたりが「このカメラ1台で、あとはいらない」と言えない大きな理由だ。
今月号のまとめ
- M-P(Typ240)での風景撮影は、独特の色で面白い表現ができる。
- 解像感についてはモニター鑑賞に十分耐えうる。これ以上は必要ない。
- ただし、耐候性に難あり。どんな環境でも使えるとは言えない。
今後も、さまざまなシチュエーションで撮影し、このカメラの研究を続けていこうと思う。
…M-P(Typ240)が手元にある限り。
カメラの台数と、レンズの本数が限界を超えているため、今後機材の整理を予定している。
このカメラが手元に残るかは不透明…。
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