XF18-55mmF2.8-4 R LM OISというレンズ
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS は、Xシリーズ初のズームレンズ。
発売は2012年11月、およそ7年前のレンズだ。…もうそんなに経つのか。
スペック
スペックは以下のとおり。
比較されることの多い大三元ズームレンズ「XF16-55mmF2.8 R LM WR」のスペックも併せて表記する。
(新発売のXF16-80mmF4 R OIS WRも比較対象なのだが、持ってないし使ったことがないので今回は比較対象外とする。)
型番 | XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS | XF16-55mmF2.8 R LM WR |
発売日 | 2012年11月17日 | 2015年2月26日 |
レンズ構成 | 10群14枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚) |
12群17枚 (非球面レンズ3枚、異常分散レンズ3枚) |
焦点距離 | f=18 – 55mm(35mm判換算:27 – 84mm相当) | f=16 – 55mm(35mm判換算:24 – 84mm相当) |
最大口径比(開放絞り) | F2.8 – F4.0 | F2.8 |
最小絞り | F22 | F22 |
撮影距離範囲 | 標準:0.6m – ∞(ズーム全域) マクロ:30cm – 10m(広角)/40cm – 10m(望遠) |
標準:0.6m – ∞(ズーム全域) マクロ:30cm – 10m(広角)、40cm – 10m(望遠) |
外形寸法:最大径×長さ(約) ※先端よりマウント基準面まで |
Ø65.0mm×70.4mm(ワイド端)/97.9mm(テレ端) (先端よりマウント基準面まで) |
Ø83.3mm×106.0mm(ワイド端) / 129.5mm(テレ端) (先端よりマウント基準面まで) |
手ブレ補正 | あり(3.5段分) | なし |
防塵防滴 | なし | あり |
質量 | 約310g(レンズキャップ・フード含まず) | 655g(レンズキャップ・フード含まず) |
フィルターサイズ | Ø58mm | Ø77mm |
小さく軽く、フィルター径も小さい。
APS-Cセンサーを採用するXシリーズを体現するような、携帯性と性能を兼ね備えたズームレンズだ。
防塵防滴性能はないが、手ブレ補正が付いているのはありがたい。
外観

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
しっかりとした作り。
「レンズ外部鏡筒や外装部分には、すべてに金属パーツを採用」しているとのことで、なるほど剛性も高くてずっしりとした頼もしい質感だ。
(「フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」新発売時のニュースリリース記事より)

そこまで劇的には伸びないよ
インナーズームではないので、これくらい鏡筒が伸びる(27.5mm長くなる)。
ちなみに同じく鏡筒が伸びるタイプのXF16-80mmF4 R OIS WRはテレ端で42.6mm長くなるので、それよりは伸びる量は少ない。
(テレ端の焦点距離が違うので純粋に比較できないけど、XF16-80mmF4 R OIS WRは少し伸びすぎだと感じた…)

花形のレンズフード。「14 / 18-55」の表記あり。
花形のレンズフードが付属。
表記の通り、これは広角単焦点レンズ「XF14mmF2.8 R」と共用だ。
そんなに大きくはないので、装着してもそんなに大袈裟にならない。

レンズフードを付けると、こんな感じ。
XF16-55mmF2.8 R LM WRとの比較
大三元ズームレンズ「XF16-55mmF2.8 R LM WR」との比較をしてみよう。
写りの比較についてはまたの機会に取り上げるとして、今回は主に大きさ・重さの比較。
大きさ
2本のレンズを並べると、こんな感じ。

左がXF18-55mmF2.8-4 R LM OISだよ
大きさの圧倒的な差がお分かりいただけるだろうか。
一回りどころか、二回りくらい差がある。
結果的に、XF16-55mmF2.8 R LM WRはこの大きさのせいでX-Pro2と合わせたときのバランスが非常に悪い(個人の感想)。
さらに手ブレ補正が非搭載なこともあって、自分はX-Pro2にXF16-55mmF2.8 R LM WRを合わせて使いたいとは思えない。

鏡筒を伸ばすとこんな感じ。
伸び幅は、なんとXF16-55mmF2.8 R LM WRの方が小さい(23.5mm)。
これは素直にすごいと思う。
元がでかいレンズなので、結局でかいことに変わりはないけど。
重さ
重さもだいぶ違う。
その差、345g。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISが310gなので、2倍以上の差だ。
そのためXF16-55mmF2.8 R LM WRはX-H1以外のカメラだとかなりフロントヘビーになり、バランスが悪い。
そして当たり前だが、カバンに入れていても重い。すごく重い。
その結果、長時間の撮影時にはリュックで持ち運んでいても、最終的に肩とか腰へ大きなダメージがくる。
…もう歳かなぁ…。
明るさ
XF16-55mmF2.8 R LM WRは「大三元」。
なので開放F値はF2.8通しだ。
ズーム全域で絞りをF2.8に設定できるので、被写体を浮き上がらせるような立体的な描写ができる。
また、暗い室内でもシャッタースピードを速くすることができるという利点がある。
対して、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは開放F値が変動する。
広角端ではF2.8まで開けるが、望遠端ではF4までしか開けない。
とはいえ、F4というのもズームレンズとしては明るい部類に入るものだし、明るさだけなら開放F値がF4固定のいわゆる「小三元」よりもスペックが高いのはすごい。
これがレンズキットに付属する「キットレンズ」とは…。
機能
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISには手ブレ補正が付いている。
3.5段分という、昨今ではあまり高い性能ではないものだけど、付いているだけでかなりありがたい。
ボディ内手ブレ補正がないX-Pro2で使用する場合には重宝する。
ただ、XF16-55mmF2.8 R LM WRにはある「防塵防滴」機能はない。
これについてはもちろんあるに越したことのない機能だけど、自分自身が防塵防滴ではないので、雨が降ったら傘をさしながら写真を撮るし、砂埃が酷いところではカメラを構えないので、そこまで重要な機能ではない…多分。
作例
以前持っていたときの写真も含めた作例を少し。
さっきも書いたけど、XF16-55mmF2.8 R LM WRとの比較はまた後日。
特に解説は載せないけど、「これくらいの写真は難なく撮れる」ということで一つお願いいたしたい。
…決して面倒なわけではない。
作例は、フィルムシミュレーション「クラシッククローム」多め。

X-T10との組み合わせで撮影。(モノクロ)

鈴鹿サーキットのガレージ。(PROVIA)

X-T2の物撮り。(ACROS)

会津の「どらや」のどら焼き。(PROVIA)

東京ミッドタウン。(ACROS)
ここまで、以前所有していたときの写真。

国際子ども図書館。(ACROS)
これは去年、XF90mmF2 R LM WRと一緒にレンタルしたときの写真。
そしてこの下から、今回購入したレンズで撮影した写真だ。

神田駅の孔雀(クラシッククローム)

ガンダムベース(クラシッククローム)

切り株(クラシッククローム)

倉庫群と光。(クラシッククローム)

工事現場の足場(クラシッククローム)

東京湾の夕暮れ。(クラシッククローム)

赤コンテナに映る影。(クラシッククローム)

工事現場と夕日。(クラシッククローム)

海と夕暮れ(クラシッククローム)

ユニコーンガンダム(クラシッククローム)

クレーンと夕暮れ(クラシッククローム)
まとめ
手離しても手離しても戻ってくるレンズ。
やはりこれは呪いのアイテム。
逃れられない…。
Xシリーズの場合、画質を極めたいなら豊富な単焦点レンズがある。
ズームレンズの役割を「利便性」とすると、このレンズは最適解だ。
しかも画質もなかなかいい。
また手離してもどうせ戻ってくるので、もう手離さないようにしよう。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS。
また買ってしまった。
実はこのレンズを買ったのはこれで3回目だ。
…一体何をやっているのか。呪いなのか。
今回はそんな「呪いのレンズ」のレビューをお送りする。