【立川市】【X-Pro2】「ファーレ立川」撮影日記③ 〜モノクロとアート〜

前回に引き続き、ファーレ立川のアート作品撮影である。

今回は、モノクロ映えすると個人的に考えている作品を紹介していこう。

※ 以降のアート作品の説明は、「ファーレ立川アートマップ」に記載されている内容です。

モノクロ=ACROS

このブログにおいて、モノクロというのは富士フイルムXシリーズの「ACROS」モードのことである。
階調豊かなこのフィルムシミュレーションそのものの説明については、以前のエントリーで記事にしているので割愛する。

簡単にまとめると、「すごくかっこいいモノクロエフェクト」だ。ここでは、ぼくがACROSでアート作品を撮るときの被写体の選びかたなどを解説したい。

陰影のみで形を強調する

FUJIFILM X-Pro2 (XF23mmF2 R WR, 23mm, f/2, 1/1700 sec, ISO200)
「人の球による空間ゲート」車止め(箕原真) 箕原真は建築家です。ここは歩行者専用でありながら、時には緊急車輌が出入りする移動可能な車止めを2ヵ所で作りました。球体の被膜を立体と壁で作りながら、その球体を感じさせる装置です。それを作家は球空間による「空間のモデル」と呼んでいます。車中心の都市の機構を人間中心のものへと変えていく契機があるような車止めが登場したのです。

色がないので、被写体の形が強調される。なので、「形を見せたいもの」を被写体にするといい。

この車止めは形が独特なうえ、空間を異質な雰囲気にするような存在感があるので、モノクロにすることによってさらにそれが映えるんじゃないか、と思って撮影した…わけではないが、結果オーライだと思う。

光と陰を表現する

FUJIFILM X-Pro2 (XF23mmF2 R WR, 23mm, f/5.6, 1/160 sec, ISO3200)
「Tachikawa Box」ペデストリアンデッキ柱脚壁サイン(山口啓介) 山口啓介は銅版画の作家ですが、今回は案内板をつくりました。この案内板は3重になっていて1層目はファーレ立川の現在、2層目は開発前(1989)の街、そして最後の地下層には昔生えていた植物のプレパラートがこの街の記憶を伝えます。照明も入っていて楽しいものになっています。

光っているものとか、明暗差があるものは、明暗のみで表現するモノクロ写真にうってつけだと思う。
このオブジェは夜になると後ろから光が当たるのだが、その時間帯を狙って写真に収めてみた。
ちなみに「立川大好き人間」のぼくは、このアートがお気に入りだ。

非現実感を強調する

FUJIFILM X-Pro2 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/4, 1/140 sec, ISO200)
「背中合わせの円」ペデストリアンデッキサイン(フェリーチェ・ヴァリーニ) ヴァリーニは複雑な空間を選んでそこに色を塗るのです。ギザギザであったり直線であったり、切られていたりする。しかし、それらの太さが違う切れた線は、ある1点から見るとひとつの真円になっている。その驚きをつくります。円に見えるのはただ1点だけでそれは見ることと空間の構造の不思議さを教えてくれるのです。この円は都市にある秘密の暗号ともいえるようです。

このアートは、本当にたくさんの人に実際に見てもらいたい。
ぼくは本当に「おー…」と声が出てしまった。「空間に落書きをする」感じ。

こんな楽しいことを考えられる人間になりたい。

まあそれはともかく、雑多に色がついている写真よりは、モノクロにすることでこの異様な「真円」が強調されるので、より印象的な写真になっていると思う。
なお、この写真では、通行人を入れることを意識して撮影したが、理由は通行人という日常が写っていた方が、この「真円」の非日常感がより際立つと考えたから。

FUJIFILM X-Pro2 (XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS, 55mm, f/16, 1/6 sec, ISO200)
もう一個あるよ

こちらの写真では、通行人に動きをつけることで、よりいっそう「違和感」を感じてもらおうと思った。狙った感じが出ているだろうか。

まとめ

どうだっただろうか。
立川に来てみたい、むしろ住みたい、と思ってくれただろうか。
目的が変わってしまったが、アート作品をモノクロで撮影すると、お手軽にいい感じの写真が撮れる、という話である。

ファーレ立川には、まだまだたくさんのアート作品がある。次はどれを紹介しようか迷うくらいだ。
こんな街は見たことがないし、街の写真を撮る身としては非常に楽しい。

次は違うカメラ、違うレンズを持って、撮影に行きたい。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。