写真を扱うときに「カラーマネジメントは大事」って聞くけど、実際どうなんだろう?
っていうか、カラーマネジメントモニターってやっぱり必要?
という疑問が湧いたので、今回はEIZOのショールーム「EIZOガレリア銀座」に行ってきた。
カラーマネジメントモニター
ざっくり言うと、「高度に色を調整できるモニター」のこと。
カメラ機材の世界でよく言われているのは、「カメラやレンズに金かけてる暇があったらモニターに金かけろ」という話。
写真は視覚情報なんだから、「ちゃんと見えるモニター」がなければどんなにいいカメラ・レンズを使って撮影しても無意味、というわけだ。
なお、カラーマネジメントモニターは普通のモニターと比べて「色に命をかけてる」のでとってもお高い。
10万円程度の出費を覚悟する必要がある。
なお、カラーマネジメントモニターを発売している主なメーカーは
- EIZO
- BenQ
あたり。ほんとはもっとあると思うけど、検索して出てくるのはだいたいこの2社だ。
ちなみに私は以前、EIZOの「CX240」っていうカラーマネジメントモニターを持ってたんだけど、今年「できるだけモノを持たないミニマリスト」になろう!と決心したときに、機材整理・断捨離の一環で手放した(年に2回くらいしか使ってなかった高級プリンタ「SC-PX5VⅡ」も一緒に)。
でも、最近またカラーマネジメントモニターが気になってきた。
どうやらこういう「プロの道具」みたいなモノを定期的に欲しくなる傾向があるようだ。
そう、つまりほとんど病気である。
個人的に気になるモニター
EIZOに絞ってみた。理由は後述。
CG319X
31.1型4Kモニター。
キャリブレーションセンサー内蔵、フード同梱。
4Kである、というところが最大の売り。…ただ、値段が現実離れしてる。
流石にこれはちょっと…
CG318-4K
上記機種の前モデル。
新モデルとそこまで大きな差はない(と思う)。
直販サイトで台数限定で販売中(2019/9/8現在 税込349,800円)
少しは現実的な価格に…なってる?いや、なってないよね
CG248-4K
23.8型4Kモニター。
キャリブレーションセンサー内蔵、フード同梱。
サイズが小さくなって値段が少し下がる。
…でもこれなら上記のモデルがいいかな…。
CS2731
27型WQHD(4Kではない)モニター。キャリブレーションセンサー、フード別売り。
この辺から現実的な価格になってくる。それでも高価なのには変わりないが。
4Kでない、というところが微妙なところだ。
で、自分には必要なの?
ショールーム見学で感じたこと
EIZOガレリア銀座で上記の機種を実際に見ながら、メーカーの方やアンバサダーの写真家の方にいろいろな話を聞かせていただいた。
それらを総合して感じたこと、教えてもらったことを以下に書いておこう。
- CS2731のUSB-C接続(給電あり)はとても便利だと思う。でも、解像度が以前持っていたモニターと似たり寄ったりで個人的には不満だ。
- 4Kモニターシリーズはさすがの高精細。センサーも内蔵で手間いらずなのもいい。お値段がショッキングだが…。
- MacBook Proのレティナディスプレイは確かに高精細だけど、グラデーションの再現といった部分ではカラーマネジメントモニターに軍配が上がるとのこと。(じっくり比べてみないとわからない?)
- 外付けモニターを導入するならモニターアームが便利、らしい。エルゴトロンというメーカーのやつが良さそう。
- EIZOガレリア銀座はとても清潔感のあるスペースで好感が持てる。
- 写真現像ソフト「Capture One(Phase One社)」はいいらしい。
それにしても。
家でプリントしない、プロでもない、現像に関する知識もない。
そしてお金に余裕もない。
そんな自分にカラーマネジメントモニターはほんとうに「必要」なの?
必要(自己投資)だと思う理由
- 環境がなければ学べない。カラーマネジメント環境を整えることで「学べる」環境を構築できる。
- 現像の勉強をしたい。このままただ漫然と写真を撮るだけで終わらせたくない。
- 単純にモノとしての価値が高い。モチベーションが上がる。
不要(過剰)だと思う理由
- 一回失敗している(解像度と置き場所をとることに不満を感じてCX240を二束三文で手放した)。
- プリントしない(プリントした写真の使い道がない)。データとプリントの色と比較するという用途がないなら不要なのではないか。
- ノートPCだけで写真を扱っているプロの写真家も多いと聞く。アマチュア(それもレベルの低い)である自分がプロですら持っていないような機材を導入するというのはどうなの?
買うとしたらどれにする?
そして、また一つ別の問題がある。
もし何かのはずみで購入するとして、上記のどのモデルを買うか、ということ。
4Kでない外付けモニターの存在意義
具体的には「このご時世に4Kじゃない外付けモニターを買う意味ってあるの?」ということだ。
今後デジカメが扱う画像ファイルの画素数はどんどん拡大していく。
それは4Kどころか8Kでも追いつかないレベルの代物だ、という話だ。
そんな時代に、せっかくお金とスペースを使って外部モニターを用意するなら、「最低でも4K」が必要なんじゃないか。
そもそも前回のCX240を手放したのは、断捨離もさることながら、解像度がMacBook Pro 15inchのレティナディスプレイを大幅に下回っていたことも大きな理由の一つだった。
それはもう、一緒に使うのが苦痛なレベルだった。
だから、もし買うなら4K以上の機種だ!
…と意気込んで見たところで、お値段がすごいことになっちゃってる。
仕事道具としてどうしても必要!というのでなければ、先行投資だとしてもかなり厳しい…。
ただ単に物欲を刺激されているだけなのではないか?
それはそれとして、本当に必要なのか?ということもちゃんと考えたい。
- それはどうしても導入しなきゃいけないものなのか?
- なんでそれを「今」導入するのか?
- それを導入することで将来に向かってどんないい影響があるのか?
- ただ「欲しい」だけなんじゃない?買ったら放置するんじゃないの?あのカメラとかあのレンズみたいに
ちなみに、なぜEIZOなのか
最後に、なんでBenQじゃなくてEIZOで検討しているのか、ということを書いとこう。
以下の話は「完全な主観」であって個人の印象程度のこと、と割り切って読んでほしい。
- BenQのほうがコストパフォーマンスに優れているのは間違いないけど、サポートが不安(英語できない)。EIZOはショールームで相談にも乗ってくれそうだし、サポート体制に安心感がある(これは実際にショールームに足を運んだ印象)。
- 海外ブランドは故障が発生した時に面倒なことになる(つい最近G-TechnologyのG-Drive with Thunderbolt 3が故障したときに強くそう感じた。そもそもサポートページに辿り着けないとか今時どうなの)。
…この程度の理由である。
重ねて言うけど、別に入念な下調べをしたわけじゃないし、BenQのサポート体制が実際にどうか、なんてことは知らない。
ただ、少なくとも五年以上は使うものについて、安心できるサポート体制があるっていうのはとても重要だと思うのだ。
とはいえ、お財布事情的に言えば、BenQのこの機種が現実解なんだろうけど…。
現時点での結論
無くても人生が終わる、というものではない。
とても高価な買い物なので、自分の置かれた環境や立場を再確認して、冷静になって考えよう。
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