X-H1は買わない、といい続けてきた。
しかし、それは撤回させてほしい。
買わないの意味は”納得行く理由ができるまでは買わない”だったと。
だから、今買う理由はひとつ。いい理由が出来たのだと説明したい。
(参考;X-H1開発秘話 #7 – ボディ内手ブレ補正機構)
X-H1 買っちゃった
…とうとうやっちまった。X-H1購入である。
発売直後、X-H1 を買わない理由について記事を書いたにも関わらず。
…まあ、買っちゃったものはしょうがない。
しかしまあ、実際のところX-T2 と比較してセンサー(約2,430万画素のX-Trans CMOS IIIセンサー)も処理エンジン(X-Processor Pro)も据え置きであるX-H1 は、X-T2 オーナーにとって魅力的な購入候補では無いように思える。
さらに、X-H1が発売したのは2018年3月1日。
発売からすでに5ヶ月が経過しているうえ、価格も大して下がっていない。
それでも、「ポリシー」や「損得」を度外視してX-H1を買った「納得行く理由」とはなにか。
今回は機材のレビューではなく、購入に至るまでの意思決定について書いてみたい。
X-H1 の購入動機
先日、ぼくは「建築」をメインで撮ることを宣言した。
メインとなる被写体を決めたら、次に決めるべきは「どう撮るか」と「何で撮るか」だろう。
「どう撮るか」
ぼくは今のところ、職業写真家として建築写真を撮ろうとしているわけではない。(それはそれで興味はあるけど)
とはいえ趣味として写真を撮るとしても、被写体を「どう撮るか」は本当に大事。
これがはっきりしているかどうかで写真の出来も、満足度も全然変わってくると思う。
さて、どう撮るか。
「構図」や「現像」といった撮影技術については今後実践しながら確立していくとして、ここではまず実際の撮影現場での振る舞いについて考えてみる。
建築スナップ写真
ぼくは建築物をきっちり撮る、というよりは「スナップ的」に撮りたい。
企業の建物紹介に使用できるような写真、カタログに使われるような写真を目指しているわけではない。
平行・水平が完璧で、歪みも一切ないとか、そういう突き詰めた建築物写真を撮りたいわけでもない。
人がたくさんいる場所にある建物は、人がたくさんいる環境ごと撮影する。
静謐な雰囲気の室内は、静寂を邪魔しないように撮影する。
ぼくが撮りたいのは、そういう「建築スナップ写真」。
そこにあるものを、そこにあるように撮りたい。
それを実現するには、できるだけ撮影者は目立たないほうがいい。
風景の主役になってはいけない。
スナップ撮影という行為は、隠密であるべきだと思う。(隠し撮りではないので注意が必要。)
「何で撮るか」
さて、そのためにはどんな機材が必要か。
先日、EOS 5D Mark ⅢとRICOH GRを持って、六本木の国立新美術館と森美術館へ行ってきた。
この時のことは前回、前々回の記事で紹介した。
記事内でも書いたが、撮影するにあたって深刻な問題が起こっていた。
…その問題とは、30度を超える暑さでも、フルサイズ機材の重さでもなく、「シャッター音」。
5D Mark Ⅲのシャッター音、すごいうるさい。
前々からうるさいとは思ってはいたけど、静かな室内だと余計に目立つ。
めっちゃ振り返られる。
建築スナップを撮るにあたって、この状態は良くない。
それに、ぼくは基本的に「ビビり」なうえ「弱メンタル」なので、注目されると撮影に集中できないのだ。
結果「あ、このカメラ、建築スナップに向いてねぇや」という結論に至ってしまった。
これは今回の機器更新の大きな理由の一つになった。
「フェザータッチシャッター」〜建築写真とシャッター音〜
さて、X-H1の特徴のひとつに「フェザータッチシャッター」がある。
具体的には一眼タイプのカメラでは考えられないレベルでシャッター音が小さい。
リーフシャッターのX100Fに匹敵するシャッター音の小ささ、といえば伝わるだろうか。
先ほども書いたが、ぼくにとって街中スナップ・建築物スナップとは、いわゆる「隠密行動」である。
撮影していることを、まわりにはできるだけ悟られたくない。
この静音シャッターは、きっとこれからの撮影の大きな武器になってくれるはずだ。
「ボディ内手ブレ補正」〜室内と手ブレと単焦点レンズ〜
建築物の内部をスナップ撮影するとき、三脚は使わない。
しかし建物の中というのは、体感以上に暗いものだ。
暗い、ということは、それだけでカメラにとって酷な環境だ。
屋内での撮影はシャッター速度が遅くなり、手ブレが起こる可能性が極めて高くなる。
…よって手ブレ補正機能付きのレンズが室内には適している。
特に広角ズームレンズ、XF10-24mmF4 R OIS はうってつけだ。
ちなみに、富士フイルムXシリーズのレンズラインナップ最大の特徴は、優秀な単焦点レンズたち。
でも、そのほとんどが手ぶれ補正を搭載していない。(一部例外あり)
でも、建物の中や暗いところでも単焦点レンズを使いたい。
そんなときに、「ボディ内手ブレ補正機構(IBIS)」は心強い。
…これで手ブレ補正の無いあのレンズやこのレンズも、現実的な購入候補になる…!
「カメラ断捨離」〜集中と覚悟〜
今回のX-H1購入のため、新宿にある「みんなの防湿庫」ことマップカメラに下取りに出したのは以下の機材。
- X-T2
- VPB-XT2(バッテリーグリップ)
- XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
- EOS 5D Mark Ⅲ
- BG-E11(バッテリーグリップ)
- EF24-70mm F4L IS USM
- EF50mm F1.2L USM
- EF40mm F2.8 STM
- 430EX III-RT(スピードライト)
- ST-E3-RT(トランスミッター)
改めて書き出してみるとすごい量の機材だ。
ちょっと吐き気がする。
これを(一部を除いて)ほとんど使わずに防湿庫に入れていたとは…
結果的には大損になった。
当たり前だ。
購入した時の半額以下の買取額だ。
買ったばかりのレンズもある。
しかし、動機は不純だったかも知れないが、これでキヤノン製品が全て無くなり、結果的に「カメラ断捨離」はひとつの山を越えた。(まだ「同じセンサーのカメラが3台ある問題」は残っているが。)
そしてカメラメーカーを(ほぼ)1つに絞った。このことは、自分の心と今後の絵作りに良い影響を与えてくれそうだ。
キャッシュバック
それにしても、このタイミングでX-H1はなかなか思い切った決断だった。
すでにX-T3の情報が出始めているからなおさらだ。
こんな時期に、なぜ購入の決断が下せたのか。
答えは「キャッシュバックキャンペーン」だ。
とある(コーラ)ブログで、30,000円キャッシュバックのキャンペーンをやっていることを知ってしまった。
これがすべての引き金といってもいい。
だって、今買うと30,000円もらえる。
お得じゃないか。
そして、結果的に大量に機材を下取りに出したおかげで、「実質0円」どころかX-H1 を買ったのに、お金が振り込まれるという事態となった。
むしろお得じゃないか。
…そう、完全にアホである。
まとめ
以上が、ぼくがX-H1を手に入れるに至った「納得行く理由」だ。
批判は受け付ける。
まあ、欲しかったんだ。
それがいちばんの理由だ。
それにしても、過去記事から盛大な手のひら返しをしてしまった。
一貫性がないヤツだ。
…反省はしているが後悔はしていない。
さて、X-H1の実写レビュー、それにさっきからカメラとセットで写ってるヤツの話は…また今度にしよう。
はじめまして、以前より楽しく拝見させてもらっています。
とうとうX-H1購入されたんですね。
確かにH1はT2とエンジンやセンサーは一緒なので考え方によっては買い替えの対象になりにくいカメラではありますが、個人的には手ぶれ補正・シャッター音の静かさ・グリップの安定感はまさしくFUJIの中では唯一無二の存在かと思います。
僕もCanonやらPanasonicやらいろいろさまよってたどり着いたのがFUJIだったので…どうかこのままFUJIユーザーのブログであることを心より応援してます(^ ^)
よければたまにたまにコメントさせていただきますね。
RINさん、はじめまして!
ブログを読んでいただいてありがとうございます!
RINさんのブログも読ませていただきました。
X-T2とX-H1の比較がわかりやすくていいですね!
X-T2は手放しちゃいましたけど、やっぱりいいカメラだったと思い返しちゃいました…
Canonは手放したし、しばらくは富士フイルムユーザー確定なので、同じXフォトグラファーブロガー同士、頑張りましょうね!
細々とコメントすみません。
もうホント大好きなブログです。
失礼な言い方かもしれませんが
記事を読んでいると自分の物欲が去っていくようで気持ちが良いです(一時的)
しかしフジの魔力は物凄いです。
H1気になりまくりですがH2が出たら考えよう。。。と心に決めて物欲抑止しております。
物欲が去って…
いえ、ありがとうございます笑
X-H2はどんなカメラになるんですかねー。
X-T3のセンサー・AFにバッテリーが改善されてたらかなり魅力的だと思います。
でもいつ出るのやら…ですね